おいしい料理求めて、まりモグがゆく。

ワインラバーの憧れ! スーパータスカン、オルネッライアに出合う。

1週間のうち少なくとも5日は、ワインを飲む......。それがわたしの2022年でした。そんななか、1年で最も感動したのが初めて口にした「オルネッライア」です。

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左から、昨年リリースされた「オルネッライア2019」750㎖ ¥35,860(参考小売価格)、ソーヴィニヨンブランを主体にした白ワイン「ポッジョ・アッレ・ガッツェ デル・オルネッライア 2020」750㎖ ¥10,000(参考小売価格)

ワイン好き、それもイタリア好きであれば一度は耳にしたことがある"スーパータスカン"というキーワード。カベルネソーヴィニヨンやメルロといった、いわゆるボルドー系品種を主体に造られるトスカーナの中でも特別なワインで、世界のワインラバーにとって憧れの存在です。

オルネッライアの自社畑は、ボルゲリにあります。このボルゲリという地、ティレニア海に面した海岸から約10㎞離れた丘陵地帯なのですが、土壌が本当に素晴らしい! はるか昔、地中海の底に沈んでいた影響から、標高の低い部分は砂岩と泥灰岩の地層になっていて、海洋生物の化石も混じっています。丘の上は粘土質土壌と、実に多彩。
海から吹く風と、丘に降り注ぐ太陽の光もオルネッライアの味を造る大切な要素。コロナ禍もあって現地には行けていませんが、トスカーナの丘陵に思いを馳せながらオルネッライアをいただきました。

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海を臨むオルネッライアの自社畑。

小春日和が続いた秋には「ポッジョ・アッレ・ガッツェ デル・オルネッライア 2020」を。この年は、8月前半に収穫したソーヴィニヨンブラン、ヴィオニエ、ヴェルデッキオや、完璧に熟すのを待って9月に収穫したヴェルメンティーノと、4種の白ブドウをブレンドしています。地中海感じる爽やかさ、一流ワイナリーならではのエレガントさ、その両方を兼ね備えた味わい。2020年のブドウについて、最高醸造責任者のアクセル・ハインツが「オルネッライアの特徴的な芳香成分がはっきり表れており、特にソーヴィニヨンブランは極上の出来映え」と語るとおり、その香りだけでうっとりしてしまうほど。

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リリース時、イタリアを代表する9人のシェフがアンバサダーとなり「ポッジョ・アッレ・ガッツェ デル・オルネッライア」に合わせて考案したレシピ本も作成(非売品)。

肌寒くなってきたある日、満を持して「オルネッライア2019」を楽しみました。ハインツが「雨が降って寒い時期と、猛暑が続いた期間が交互に続いた」と語る19年は、天候が劇的に変化。収穫前の9月末、例年どおり気温が下がったことで、香り成分が育ち、新鮮な果実味が残ったそう。
ブドウは、カベルネソーヴィニヨンを主体に、メルロ、カベルネフラン、プティヴェルドをブレンド。セパージュ的にも、骨格のあるフルボディなワイン、ということがわかりますが、飲んでみるとそれ以上に印象に残ったのが、余韻。きれいで滑らかなタンニンが口の中を通っていった後、感じる香り。黒っぽいベリーの香りやハーブや植物のような香りも。威風堂々とした存在感がありつつも、その官能的な余韻がたまらなく、もうひと口、もうひと口だけ......と大切に飲み進めました。(ゆっくり飲むと、後半はより進化した味わいになるのでさらに驚き!)
リリース年である22年に飲んでも最高の味わいでしたが、10年後、もしくはそれ以上待ってから、また再会したい、そんな1本でした。
テロワールをより一層感じるべく、まだ見ぬボルゲリの地に、あらためて思いを寄せつつ......。

●問い合わせ先:
Ornellaia
www.ornellaia.com/ja

まりモグ

幼少期から北京を拠点にアジア、欧米、太平洋の島々などを旅し、モンゴルの羊鍋からフランスのエスカルゴまで、さまざまな現地の料理を食べ歩く。特に香港は、多い時で年4回のペースで通うほどの“香港迷”。食べ過ぎ飲みすぎがたたり、28歳で逆流性胃腸炎を発症。ワイン好きが高じて、2021年にJ.S.A.認定ワインエキスパートを取得。

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