
Ensue-中国・深センに、米三ツ星シェフがオープンした新レストランへ(Part 2)
Part 1に続き、カリフォルニア・ナパバレーの三ツ星レストランMeadowood率いるシェフ・コストウが、中国のシリコンバレーと呼ばれて発展著しい深センにオープンしたEnsueでの試食体験記です。
今まで、中国の食事客と言えば、20代の大金持ちが「この店でいちばん高い食材持って来て!」なんてシェフに言ってしまうイメージが実際あったものの、時代は変わり、どんどん洗練されていることを実感しています。
この店は、ものすごく凝った調理と風味ながら、プレゼンテーションは完全にミニマリストなのです。これはかなり思い切った方向性で好感が持てます。
さて、さっそくの後半戦です。
サステイナブルな地元の養殖場からのイシビラメを、こちらも地元のオーガニック農場から取り寄せたスベリヒユ、紅百合、空心菜、葱などの野菜と一緒に。瑞々しい!
大連産の超肉厚な鮑と、焼いてからオリーブオイルとクラリファイバターで茹でた茄子、ソースは鮑のキモ、卵の黄身、茄子を茹でた残り油、干し鮑のお酒で、アマンラスという紫の入った葉を載せています。通常は捨てられてしまう部位も含めて鮑全部をしっかり使って作っているのだそう。
ペアリングされているワインは世界中からのもので、こちらはリスリングの印象が強いドイツで作られている美味なるピノノワールでした!
オーストラリア和牛が登場。毎日摘み立てで届く雲南省の茸を酒粕で味付けたり、松茸、ポルチーニ、シイタケなどの茸を牛の骨髄液と一緒にソースに仕立てたり。森の香りが漂ってきそうな豊かな味わい。
ワインも美味しくて、最高の食事を満喫しました。
デザートは、カカオニブの代わりにクルミで作った自家製チョコレート、巨峰ゼリー、雲南省の水牛のミルクで作ったアイスクリーム。甘さと酸っぱさ、発酵や燻製などが組み合わされた複雑なハーモニーの高度なデザートなのです。
ちなみにこちらの上階には、レストランと同じ広さのバーがあります。こんな素敵な階段を昇って行くのです。
とにかく広くて、これはほんの一部。
こんなしっかりしたカクテルを出す優雅なバーは今までこのエリアにはなかったそうで、これもなかなか挑戦的!
夜にはぐっと雰囲気が出ます。
最後に今回招待してくださった、上海で活躍するジョスリンさんとルーシーさんと。
今回ご紹介しているのは夏の訪問なので、旬によって食材が変わって、新しいメニューもいろいろ出来ているそうです。オープン後、どんな風に変わっているのか、地元での評判はどうなのかなど探りに、ぜひまたうかがいたいし、シェフが見つけたオーガニック農場もぜひ見学してみたいものです。
最後に、階段のところにも暗くなると水墨画のような映像が映し出されるムーディな演出を!
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