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かぐわしきみなと通信

京都の漆職人とR・サンダーソンが香港で華やかなコラボ!

「京都の老舗漆道具商とコラボしたのよ。今度、その象彦(ぞひこ)の方が、香港にいらっしゃるから、会いに来ない?」

香港のR・サンダーソンのPRの方から、そんなお誘いを受けて、セントラルのランドマークにあるお店に先日うかがって来ました。

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漆とシューズブランドのコラボというのは、いったいどのように? という疑問は、そのプロダクトを見て、すぐに解消。

ほら、こんな風に! R・サンダーソンのシグネチャーであるこの「ペブルス」というアクセサリー部分を、今回、漆で作られたというのです。フューシャピンクのシルクと朱の漆という組み合わせに、目が釘付けです! とても力強くて華やか。

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京都から香港にいらしていたのは、京漆器 象彦の西村毅さん。象彦は、1661年(寛文元年)創業という老舗で、皇居の玉座の漆を施されていて、家元、神社仏閣、財閥などのご用で長年生計を立てられていたという、名門中の名門なのです。

左が西村さん、右が今回のコラボを企画されたマーチャンダイズ・マネージャーのシンシアさん。

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2010年にスイスの最高級時計メーカー、ヴァシュロンコンスタンタンとのコラボで、蒔絵による文字盤を作るなど、積極的に海外のブランドとのコラボを進めていた西村さん。

日本では、漆の用途も伝統的なものに限られてしまうため、海外のブランドとのコラボによって、今まで思ってもいなかったような漆の使い方を試してみたい、世界の方に日本の漆文化を知って欲しい、そんな思いを抱かれているそうです。

今回のコラボは昨年7月にシンシアさんから「ニッケルに漆を塗って絵が描けますか」という問い合わせをもらったことで始まったとか。

とにかくやってみよう、と試作を繰り返しているうちに、思いがけない副産物も生まれたのだそう。

「通常、蒔絵の場合は、金粉を使うのですが、そうするととても優しい表情になるものの、R・サンダーソンの靴のパキっとしたイメージとどうもしっくり来なかったんです。それで金箔を代わりに使った時、履くものだから、耐久性が心配だったので、箔がずれたりしないように、念のために1回多く加熱をしてみました。そうしたら・・・・・・」

下の写真の漆の黒い部分に、うっすら赤が透けて見えるの、分かりますか?

「そうなんです、黒い漆の透明度が強まって、下に塗ってある赤茶の漆が透けてみえる効果が生まれたんですよ!」

まったくの偶然の産物だそうで、「普通は20年ぐらい使っていると、こういう経年変化が出てくるんですが、最初からこの透け感が出てきたんです。ニッケルを使って、今回のような作り方をするとこれが出るらしいんですが、これが再現できるかも分からないほどの驚きでした」

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ちなみに柄は、12ヶ月の月替わりの酒杯のデザインとして象彦が持っていた花の図案から、抜粋してアレンジをしたのだそう。

「この柄は南天。シンシアさんのリクエストで、螺鈿も加えています」

象彦には、350年間に蓄積した超一流の図案のストックがあり、それがまさに会社の宝なのだそうです。少しも古びて見えません。

こちらは梅の花ですね。ちなみに赤の漆の場合は、透ける効果は出ないのだそう。

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何とも言えない、本物の迫力に満ちていますよね!

ちなみに今回、象彦とコラボを、と思ったきっかけをシンシアさんにうかがったところ、ブランドの哲学にR・サンダーソンとの共通点が多く、デザインの上でも親和性がありそう、と考えたのだとか。

何しろ、ほら。R・サンダーソンのヒールにも、もともと箔が使われているのです!

本当に完璧なコラボです。

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こちらがオリジナルのペブルス!

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今回は、全部で5パターンの漆のペブルスを作られたそう。

ロンドン発のハイファッションと日本の伝統文化の融合で生まれた、エキサイティングで特別な存在感は、目にするだけでもすごいのですが、履いてみたらもう、ものすごい引力でした。

こちらは香港でまず発売され、その後、台湾でも展開する予定で、今のところ、日本での発売は未定だそうです。

ぜひ香港にいらしたら、R・サンダーソンに見に行ってみてくださいね。

 

 

 

甲斐美也子

香港在住11年目のジャーナリスト、編集者、コーディネーター。東京で女性誌編集者として勤務後、英国人と結婚し、ヨーロッパ、東京、そして香港へ。オープンで親切な人が多く、歩くだけで元気が出る、新旧東西が融合した香港が大好きに。雑誌、ウェブサイトなどで香港とマカオの情報を発信中のほか、個人ブログhk-tokidoki.comをまとめた電子書籍「香港ときどきマカオ Vol.1 香港在住ジャーナリストが出会った美味しいもの、素敵な人たち、そして日々のつれづれ」を出版。

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