35歳、シングルマザーのエディターが、パリに移住してみたら

夏はストックホルムへ! フランス流バケーションで働き方の概念が変わった。

こんにちは、鈴木桃子です。

フィガロジャポンで働いていて、フランス人はバケーションになると連絡が取れなくなることは知っていました。フランス人って休みすぎだから!なんて愚痴をこぼしながら、キリキリマイで仕事を進めることもありました。でも、いざ自分がフランスでバケーションを過ごしてみると、ゲンキンなもので、バケーション最高! という気持ちでいっぱいに。

息子は日本に一時帰国することが決まっていたので、私にとっては、大人になってほぼ初めてのひとりの夏。前半は、夜明けまでNetflixを見て朝7時にラーメンをすすり、私は一体パリで何をやっているんだろう……なんて思ったりもしましたが、後半は、フランス人に負けじと、スウェーデンやイタリア、ノルマンディーなど、たくさん旅をしてきました。なかでも今回は、初めて訪れて大好きになったスウェーデンのストックホルムをご紹介。

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ストックホルムは、自然豊かで広々とした開放的な空気に、ユニークでヒップな店も多く、都市と田舎の良いところどりみたいな場所。日本で仲良しのスウェーデン人フォトグラファー、ナタリー(instagram@nanorie)が帰省していると聞いて、彼女に会いに行きました。いろいろ案内してもらったのですが、センスが良く、食のアンテナも高い彼女のおすすめとあって、どのアドレスも素敵でした。

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まずは、国立都市公園ユールゴーデン島へ。スウェーデン王家の別荘地だった島であり、ストックホルムの中心に位置しながら、自然豊かな都会のオアシス。この島内にあるカフェ「Rosendals Trädgårdskafé」は農園併設で、収穫されたばかりのオーガニック野菜を使ったランチやシナモンロールを楽しめます。リンゴの木の下でのんびりと過ごす時間は、ストックホルムの伸び伸びとした空気を感じられて素晴らしかったです。

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「Café Nizza」は、おしゃれなストックホルムっ子たちからも人気の店。内装からプレート、制服まですべて可愛い! フランス料理とイタリア料理をフュージョンしたメニューを日替わりで提供しています。チーズと胡椒をたっぷりと使った、濃厚なカチョ・エ・ペペがシグネチャー。

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おやつタイムには、キャラメル専門店「Pärlans Konfektyr」へ。夏の暑い日だったので、アイスクリームを求めて並ぶ人でたくさん。ラベンダーやチョコレートなど、さまざまな味のキャラメルソースをトッピングに選ぶことができます。可愛らしいデザインのキャラメルソースはお土産にも最適。

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郊外に、倉庫をリノベーションしたヒップなエリアが登場。その一角にあるバー「「Hosoi」は、カラフルなインテリアのユニークな店構えでデザイン好きなら一見の価値あり! 毎夏、ここで音楽フェスティバルも行っているそうです。

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スウェーデンは、才能溢れるデザイナーも多く輩出している国。「Acne Studios」のサンプルやアーカイヴアイテムをリーズナブルに販売している「Acne Archive」、90年代のストリートカルチャーをインスピレーションに上質な靴を手がける「Eytys」、モードな遊び心が光るミニマルなデザインで人気の「Our Legacy」など、スウェーデン生まれのブランドを巡らずにはいられません。ちょうど移転のタイミングだった「Stockholm Surfboard Club」は訪れることができず、残念……。

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こちらは、ナタリーイチオシのインテリアショップ「Brandstationen」。ヴィンテージからセレクトまでユニークなアイテム揃いで、何時間いても飽きません。さまざまなテイストを掛け合わせたモダンな内装はインテリアの参考にも。

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どの国でも、1泊はその国のデザインや建築を楽しめる場所に泊まることにしている私。
歴史的建造物をリノベーションした空間と北欧らしいミニマルな内装に惹かれて、ホテルは「Nobis Hotel Stockholm」に滞在しました。どの島にも徒歩圏内、ノルマルムストルグ広場の目の前にある絶好のロケーションでした。

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そんなこんなで、すっかり満喫したバケーション。これまで出張は多かったけれど、なかなかプライベートで旅行する時間を作れていなかったように思います。フランス人がバケーションのために働いているという気持ちが理解できたし、逆に、私たち日本人は働くために働いているようだなとも感じました。私たちも、フランス人のように、もう少しゆるんで、ゆっくり休んでみてもよいのかもしれません。

でも私は、スウェーデンでまるで仕事のようにリサーチとロケーション探しに徹してしまい、仕事が好きだということに改めて気付かされました。休んだからこそ、働くことの楽しさに気づくことができることもある、そんな風にも感じました。不思議なもので、中途半端に休むとずっと休んでいたくなるけれど、長く休むと仕事に戻りたくなるもの。確かに、フランス人はバケーションでしっかり休むけれど、働く時は意外にもしっかりと働いています。そういう意味でも、フランス流バケーションの意義を理解できた夏になりました。

鈴木桃子

パリ在住エディター、ライター。1987年生まれ。早稲田大学在学時、20歳で結婚&出産。出版社勤務を経て、離婚後に渡米。帰国後、2016年よりフィガロジャポン編集部のエディターとして勤務。2022年10月より、高校生の息子とともにパリへ移住し、フリーランスで活動中。
Instagram:@momoko____szk

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