喧騒を離れて味わう、目黒のおいしいプチカフェ。

このカフェをご紹介するには勇気が必要です。
なぜならば編集部にも近く、おいしいハンドドリップのコーヒーが楽しめる大事なカフェだから、本当はやはり秘密にしておきたいのです。
でもこの企画「近所のいい店、教えます」ですから、やはり自信を持っておいしいところをご紹介したい！ ということで編集部のみなさんごめんなさい。ご近所の特権で編集Dはご紹介します。

目黒は、4月になるとまだ桜が咲いていない頃からお花見の方が訪れて賑わいますが、普段は穏やかな佇まいで（たまに、いや、かなりの頻度で突風も吹きますが）、働く人、住まう人を包み込んでくれる街です。
でも駅前はチェーン店も多く雑多な印象も。
ゆっくりとおいしいコーヒーが飲みたいなぁと常々思っていたところに、ある日見つけたのがこのお店。ドレメ通り、カトリック目黒教会の目の前です。

もともと目白で洋品店「LITTLE HAPINESS」を営んでいたご夫婦が、2016年から目黒に移転し新たにカフェ「my little hapiness」も併設しオープンさせたそう。店内はゆったりとお洋服が楽しめるスペースと、南に面した大きな窓が気持ちのよいカフェスペースにゆるく仕切られています。

メニューはハンドドリップのコーヒー2種のほか、軽食やスイーツ、アルコールにおつまみと充実。
1週間の疲れを取ろうと土曜の昼から出かけたところ、スイーツは13時の焼き上がり。焼き上がるまでの時間、ケールのポタージュ（￥600）をいただきました。
無農薬の国産ケールと生姜がピリッと利いたポタージュは、濃厚なおいしさに思わずビールをオーダーしようか迷います。今日のメインはコーヒーとスイーツなのでググッと我慢しポタージュを完食したタイミングで、甘く香ばしい香りが漂いはじめました。

スイーツは、タルトマフィンやレアチーズケーキなど、その日ごとの気まぐれで作られています。この日はタルトマフィンが３種。迷わず紅玉とクリームチーズのタルトマフィン（￥300）をオーダー。タルトとマフィンがマリアージュしたそれは、外はサクサク、中はしっとり、そしてフルーツがゴロゴロと入り、程よい甘さがコーヒーとよく合うのです。
コーヒーは「マエルブレンド」（￥500）をブラックで。２種類あるハンドドリップコーヒーはどちらも”obscra coffee roasters”と作られたオリジナルブレンド。実はそれぞれに洋品店で扱われているフランスブランドのデザイナーの名前がつけられているんです。デザイナーの性格と、豆の味わいをリンクさせて説明していて「口数は少なく、クールでたまに見せるはにかんだ笑顔が印象的な女性です」だなんて、コーヒーを選ぶのが楽しくなります。

こじんまりとしたカフェは、ひとりで少し休息するのにぴったり。メニューに書かれた紹介文を読んだり、ひとつひとつお気に入りを集めたであろう器の棚を覗いたり、スイーツの焼き上がりに鼻腔を膨らませたり。陽当たりのよい窓際は本を読むのにもおすすめです。これからの季節は、まだチャレンジしていないドイツソーセージとアルコールや、あつあつのホットチョコレートが楽しみです。
目黒にお越しの際はぜひ、休息の1杯を味わいに出かけてみてください。