二子玉川の隠れ家レストラン発見。

フィガロの編集者がご近所のいい店を紹介する「近所のいい店、教えます」。仕事していても頭の中は食べ物のことばかり考えている、この企画初参戦のMKです。

かれこれ10年以上住んでいる二子玉川。
2011年に二子玉川ライズがオープンしてから、この辺りも人の流れが変わり、新しいお店がたくさんオープンしていますが、新陳代謝の激しいこのエリアでは大好きだったイタリアンが他の地域へ移転したり、お気に入りの喫茶店が閉店してしまうという悲しい出来事もしばしば。そんな中で、近所の友人においしいハム屋ができたよ！　と誘われ訪れたのは、昨年8月にオープンした最高級ハムを提供する「BUTTINGHAUS JIRO」。

二子玉川駅から徒歩7〜8分。こんなところに飲食店があるのか?!　と近所に住んでいる人も疑うほど閑静な住宅街に馴染んでいるお店。

こちらのお店は大正14年に横浜の本牧で精肉業として開業し、茅ヶ崎の地で80年以上ものあいだ人気シャルキュトリー店として地元に長く愛されている「ハム工房ジロー」が経営するお店。そんな老舗がはじめてテイクアウト＆イートインできるレストランを出店するにあたり、第一号店として選んだ土地が、催事でよく訪れていた二子玉川だったのだそう。

特筆すべきは、なんと言っても余計な添加物を加えていない（少量の発色剤は使用していますがそれもセロリジュースの粉末）シャルキュトリーが食べられること！　通常スーパーなどで売られているものには日持ちさせるために保存料や結着剤などを加えていますが、わたしはどうしてもそれらの独特の味があまり好きではなく、普段は買うことがありませんでした。でもジローは別。賞味期限は翌日まで。手間暇惜しまずドイツ式伝統製法を守り続けている同店の味は全然違うのです!!

一番違いを感じるのは「後味」。ソーセージやハムは噛めば噛むほど口の中でスモークの香りが広がり、肉の旨味があとを引く。月並みにただおいしいという言葉しか出ません。

ソーセージ本来の旨味を堪能できる「ホットドックプレート」（スープ・サラダ・コーヒ付き）￥1,430（Lサイズ）

ランチタイムのプレートメニューにはスープ、サラダ、コーヒーが付くのですが、ここで出てくるスープもまた絶品。あまりにおいしくて一緒に食べていた娘の分も奪ってしまったほど。聞けば、ハムを作る過程で出てくる肉のスジと骨だけをコトコト煮込んで作っているのだそう。シンプルで良質な材料から作られた出汁だからこそ味わえる滋味深い味に感動します。こちらのスープ、単品では「ポトフ」としてオーダすることができ、さらにはテイクアウトでも購入可能とのこと。自宅でもこの味が楽しめるなら、これはもう大人買いするしかありません。

つややかな黄身にも惹かれる1日10食限定「黒毛和牛ローストビーフ丼」￥1,650（スープ・サラダ・コーヒ付き）（ランチタイム価格）これも大好きな一品。

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自宅用でよく買うのは「ボローニャソーセージ」。そのまま食べるのもおいしいですが、おすすめはフライパンで焼くこと。一口噛んだ瞬間、そのフワフワな食感にびっくり。食べ進めるごとに肉の旨味が溢れ、口福感に満たされます。

ちなみに、お店のチーフがお気に入りなのはベーコンなんだとか。フライパンでカリッカリに焼いたジローのベーコンは日本一おいしいというのでこちらも食べなければ。

脂のツヤ感、厚みにノックアウト！

シャルキュトリーを買って帰るなら、100〜200gくらいの食べきれる量を買うのがおすすめ。都度、1回で食べきれる少量を買うことで本来のおいしさを堪能することができます。冷凍もできるので、多めに買う方はお店の方に解凍のコツを聞いて保存するのがいいと思います。

ハムやパテなどは100g単位〜購入可能。その他、サンドイッチやドリンクのテイクアウトメニューもあります。

お店はこちらと茅ヶ崎の本店のみですが、定期的に全国の催事に出店されているので、お近くのデパートなどで出会ったらぜひ足を止めてみてください。きっと食べた瞬間、おいしさに笑みがあふれるはずです。あ、スープもお忘れなく！

これから二子玉川の老舗となることを願って通い続けたいと思います。

テラス席はペットも可。この日は大きなボルゾイを連れたマダムも。お店ではビールやワイン、カクテルなどのアルコールもあるので暖かくなったらテラスでアペロタイムもいいですね。

※この記事に記載している価格は、標準税率10%の税込価格です。