
サンセバスチャン食べ歩きの旅 Part 2
バケーションにはその旅先が舞台になっている本を読むと決めているので、今回はバスク地方が舞台のヘミングウェイの名作『日はまた昇る』を持って行きました。最近ずっとコンテンポラリーな小説ばかり読んでいたので、こちらの古典(と言ってもたかが100年前の作品だけれど)は最初とっつき難かったけれども、現地でしか味わえない臨場感が醍醐味。
登場人物全員が全ページでワインを飲んでいる
この夜は、ニューヨーク時代の友人であるコペンハーゲンから来てくれたカップル、ニューヨークから来てくれた友人、ロンドンから来たカップル、ビルバオから来てくれた友人らと合流してアンソニー・ボーディンのお気に入りだったレストランへ。生まれも育ちもビルバオで生粋のバスク人であるアイトールと会うのは20年ぶり。再会はもちろん、バスクを誇りにする彼の故郷で会えたことが特別に嬉しい。そしてどの国に行ってもそうだけど、やはり旅先では地元民がいると心強い。アイトールがバスク語でおすすめ品を沢山オーダーしてくれました。
こちらはバスクの高級食材ペルセベス=亀の手。グロテスクだけどストレートに海の味がしてお酒が進む。


散々バル巡りした後のサンセバスチャン3日目は、ミシュランスター1つ星のKokotoxa Jatetxeaでランチ。バルの賑やかな雰囲気とは対照的に、こちらは洗練されたモダンなプレートが続きます。



量が多すぎず、懐石料理を彷彿させる繊細な味付け。伊勢志摩の地中海村に姉妹店があると聞いて納得です。
この後、ニューヨークから来てくれた悪友と合流。やっぱりバスク・チーズケーキは食べておかないとね、となって散歩がてらに通りかかった行列のできているケーキ屋さんで2切れ購入。


チーズケーキと言えば、NYではSohoのスプリング・ストリートにあるCeci-Cela(スシスラ)が有名で、そう言えばあの店まだあるんだっけ?みたいな会話の流れでググってみたら、何と去る4月に32年の歴史に幕を閉じたというポストを発見して大ショック。
気を取り直して一口こちらのバスクチーズケーキを食べてみると、軽い!しつこくない!初めての食感かも。ねっとり&どっしり&もったりのNYチーズケーキ系の味を想像していたので素直に驚きました。なるほど、これは日本で流行るはずよね、と納得。
スペインのバスク地方は、バルセロナ周辺のカタルーニャ地方と並んで、独自の文化や言語がある自治州なのはご存知の方も多いはず。 実は、数年前にバルセロナ郊外で乗っていた電車が急停車して、私含む100人弱の乗客全員が車内から追い出されたことがありまして。 そのプラットフォーム上で、瞬く間に乗客全員がまるで家族のように集結して、あーでもないこーでもない、と堰を切ったように話し始めた現場を目の当たりにして、都会では決して見ない地元民の強い結びつきを感じたことを鮮明に覚えています。 その話をバルセロナにも数年住んだことがあるアイトールにしたところ、
『歴史的な背景や文化は異なるけど、地方自治州同志としてカタルーニャ人とバスク人の団結力には似たところがある』と。 場所をイギリスに変えてみてザックリまとめると、バスク人とカタルーニャ人→スコットランド人とアイルランド人みたいな感じ?と聞いたところ『more or less(そんな感じ)』とのこと。そしてスペイン王室もイギリス王室に負けないくらい、色んなスキャンダルがあるそうで、そちらの話も面白かったっけ。
まとめ:サンセバスチャン は街が小さくて綺麗だし安全&物価も安めでヨーロッパ中に散らばっている友人たちを集合させるパーフェクトな場所。毎年同窓会の会場として集まりたいくらいです。
Kokotxa Jatetxea
https://www.restaurantekokotxa.com/en/
Ganbara
http://www.ganbarajatetxea.com/presentation&lang=en
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