Butterdrop Diary 『ロンドン郊外のカントリーライフ』

イギリスの初夏の風物詩、エルダーフラワーコーディアル。

今月からブログを執筆する、ロンドン郊外在住のギャンブル五月と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

私の住むケント地方の6月は、色鮮やかな花が咲き乱れる一番美しい季節。中でも近所の至る所で白いエルダーフラワーが咲き始めると、「今年もコーディアルを作る時期が来た!」と浮き足立ってしまいます。

220615-satski-gamble-01.jpg

この木なんの木、エルダーの木。

日本では西洋ニワトコと呼ばれるエルダーの木に、初夏になるとフルーティーで甘い香りのする小さな白い花が房状で咲くのがエルダーフラワー。その可愛らしいお花の部分をシロップに漬け込んだものがコーディアルと呼ばれ、イギリスや北欧では夏の風物詩として古くから親しまれています。

220615-satski-gamble-02.jpg

甘酸っぱいマスカットのような芳しい香り

私も毎年6月になると、子供と裏庭のエルダーフラワーを摘んでコーディアルを作るのが恒例行事。

220615-satski-gamble-04.jpg

花は香りが強い早朝に詰むのが良いので、制服のまま登校前にカット

作り方は至って簡単で、水に大量の砂糖を入れて煮立てたシロップに、エルダーフラワー、レモン、クエン酸を加えたら火を止めて一晩置いておけば出来上がり。その際に薔薇の花弁を投入すると、全体がうっすらとしたピンクに色づいてこれまた美しい一品に。完成したコーディアルをお好みの炭酸水やシャンパンで割って飲めば、イギリスの初夏がぎっしり詰まった甘美な味が楽しめる、という訳。

220615-satski-gamble-05.jpg

青臭くなるので茎の部分は切り取ります

220617_blog_01.jpg

目&鼻&舌で愛でれる庭の薔薇

220615-satski-gamble-06.jpg

レモンの皮は剥いて入れるのが香り高くなる秘訣

220615-satski-gamble-07.jpg

薔薇とレモンは必ず無農薬のものを!

220615-satski-gamble-08.jpg

6月のお庭が集結した贅沢なコーディアル完成

このエルダーフラワーコーディアル、飲み物としてだけでなくアイスクリームにかけたりゼリーにしたりと、お菓子の材料として楽しむこともできるのもまた一興。ハリー王子とメーガンの結婚式でのウェディングケーキが、フルーツケーキを砂糖で固めたコテコテに伝統的なものではなく、エルダーフラワーコーディアルがたっぷり入ったフレッシュなケーキだった事は記憶に新しいところ。彼らはウェディングケーキを選ぶ段階で既に、王室のしがらみから離れたかったのかもね……そんなケーキに着想を得て、生クリームにコーディアルを加えてホイップしたエルダーフラワー風味のクリームを使ったケーキをティータイム用に作ってみました。

220615-satski-gamble-09.jpg

苺、クリーム、エルダーフラワーとイギリス全開なケーキ

おまけに、エルダーの葉は古代から魔除けとして使われていて、更にその枝で作られた杖は数ある魔法の杖の中でも最強なものである(ハリー・ポッター推奨)というのだからその万能さは無限大。我が家のホームセキュリティをも強化してくれる庭のエルダーツリーに感謝しながら、今日もせっせとコーディアル作りに励む私です。

ギャンブル五月|Satski Gamble

日本カップケーキ協会主宰。ニューヨーク州立大学卒業後、ウェスト・ヴィレッジのマグノリア・ベーカリー本店にて6年間腕を磨く。ロックバンドのメンバーとしても活動し2度の全米ツアー後、渡英。現在は美しい田園風景が広がる“Garden of England(イギリスの庭)”と呼ばれるロンドン郊外はケント地方に暮らす。著書に『イギリスから届いたカップケーキデコレーション』(SHC)。
Instagram:@satskigamble
Twitter:@satski_gamble

ARCHIVE

MONTHLY

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories