Butterdrop Diary 『ロンドン郊外のカントリーライフ』

New Yorkの友達 ① 画家:ティム・ケント

私がニューヨークに住んでいた頃バンドでベースを弾いていたティムは、20代の頃からどこか大人びてた人。腕組みをしつつ、ちょっと離れた場所からわちゃわちゃ騒いでいる稚拙な私たちを傍観してるような人で、いつも横には美女が居たイメージである。

今では気鋭の画家としての地位を確立し、ニューヨークを拠点に世界中を飛び回って個展やアートスクールでのレクチャーなどで多忙な日々を過ごしているティム。

嬉しいことに、今月からロンドンのメイフェアにあるギャラリーで開催する個展へのプライベードビューにおいでとメッセージが届いた。彼の作品を生で見るのは、当時付き合いだして間もない夫との初デートにロンドン郊外での個展に行って以来!

腕組み姿は健在だった

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クラシックな油絵とシュールレアリズムが混在しする独特の世界観が投影されたティムの絵 x 12点

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熱気に包まれたギャラリー内の人混みをかき分けてようやく主役のティムを見つけると
「サツキー、全然変わってないね!」とハグしてくれて、彼の人たらしさが健在であることを確認。アーティストはチャーミングであることもお仕事の一環で、あのシェイクスピアも生粋の社交上手だったことは有名です。

さて今回、ティムに画家になったいきさつについて聞かせてもらいました。
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「幼少時代から何度も引っ越しをするしかなくて、気晴らしに描き始めた絵が自分自身を表現する手段だったと思う。影響を受けた画家は、マックス・ベックマンやピカソ、ドガ。それからカナレット、ハンマースホイ、ピラネージにも影響を受けて。最近ではケリー・ジェームズ・マーシャルみたいにキャンバスをデザインするような画家が面白いね。」
アメリカとヨーロッパのアート界の違いについて聞いてみると
「アメリカはアートの商業市場が巨大化してるから若いアーティストの作品が高値で取引されることがあるけど、他の国では芸術作品に対してもっと懐疑的な気がする。」とのこと。
お気に入りの美術館は?
バチカン美術館、ベルリンのノイエ・ギャラリーは素晴らしいけど、一番好きなのはフィレンツェのスペーコラ美術館。」(しっかりメモ)
そして今回の個展とは全然関係ないけど、実はずっと前に数人の友人から
『ティムって高校時代、後輩だったThe Strokesのメンバーにこっそり崇拝されていたんだよ』
という噂を聞いたことがあったので、ついでにその真偽を聞いてみた。
「音楽に乗り換えてからあっという間に有名になっちゃったけど、高校時代は彼も絵を描いてるような奴だったから、もしかすると僕に一目置いていたかもね。どのメンバーかって?ドラマーのファブリッツィオだよ。」
The Strokesについては色々な逸話があるのでまた後日文章にするとする。
話を戻してギャラリーのウェブサイトを見てみると、もう彼の絵は半分くらいSOLDしておりました。
テイムの個展『Histories in Flux (移り変わる歴史)』は6月1日まで。

Timのインスタグラム https://www.instagram.com/timkentart/
JD Malat Gallery 30 Davies Street, Mayfair, London W1K 4NB https://www.jdmalat.com

 

ギャンブル五月

ニューヨーク州立大学卒業後、ウェストヴィレッジのマグノリア・ベーカリー本店にて6年間腕を磨く。ロックバンドのメンバーとして2度の全米ツアー後、渡英。現在は田園風景が広がる『Garden of England(イギリスの庭)』と呼ばれるロンドン郊外はケント地方に暮らす。著書に『ニューヨーク仕込みのカップケーキデコレーション』『イギリスから届いたカップケーキデコレーション』(SHC)。日本カップケーキアカデミー代表。
Instagram:@satskigamble
Twitter:@satski_gamble

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