Butterdrop Diary 『ロンドン郊外のカントリーライフ』

ラベンダー畑でつかまえて

毎年6月から7月にかけて、ラベンダー色の絨毯とケントの田園風景とが綾なす美しい風景が一面に広がるCastle Farm(キャッスル・ファーム)。 約2ヶ月弱という短い開花期間中、プロヴァンス地方にも劣らないこのイングリッシュラベンダーの香りを全身で纏うために、暇さえ見つけては足を運んでいま

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車を10分走らせれば気分は南フランス

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奥のテント内でマッサージを受けることも

1892年に、初代のジェームズ・アレクサンダー氏がスコットランドから電車で牛を17頭連れて、このEynsford村に降り立ったのがこのファームの幕開け。 現在では5代目に当たる後継者のウィリアム&キャロライン夫婦と、その子供たちで経営しているファミリービジネスです。 りんご、ホップ、カボチャなども生産していて、主役のラベンダーにおいては、90年代に育て方を習得するためにキャロラインがわざわざ南フランスのラベンダー農場まで研修に出向いたのだそう。 

「雨の多いイギリスでラベンダーが育つ訳がない」

と先方のラベンダー農家の方には言われたそうだけれど、今ではイギリス一の生産量を誇るラベンダーファームにまで成長したんだから、その先見の明には頭が下がりますね。

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比較的雨の少ないケント地方の賜物!

IMG_4082.jpgコーヒートラックもあります

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ファームの敷地内には、収穫したフレッシュなラベンダーをその場でオイルに加工する抽出&蒸留所があって、その工程を見学することができます。 刈り取られたラベンダーを2時間プレスしてから蒸留機に入れて、しばらくするとエッセンシャルオイルと蒸留水に別れて抽出されるという仕掛け。

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花だけでなく茎からもオイルは取れるのだそう

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壁に毎年の収穫量(kg)が記録されていました

100キロのラベンダーの収穫からたったの300mlしか抽出されないこの貴重なラベンダーオイル、半年冷暗所で寝かせて香りが安定してから製品に使用され、蒸留水の方はラベンダーウォーターなどに加工されてお店に並びます。

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秋に収穫されたデコレーション用のホップが飾られた店内

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苺とサクランボも名産品

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幅広いセレクションのラベンダーグッズが一堂に

可愛いショップ内には、寝る前にこめかみに塗るスリーピングバームから、ローズマリーオイルがブレンドされたルームスプレー、ラベンダーの花弁入りのバスソルトなど素敵なオリジナル商品がずらりと並んでいるので、いつも何かしら買うハメになります。

IMG_4088.jpgヒマラヤンソルト+ラベンダーのバスソルト(買うよね)

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 洗った衣類やシーツに吹きかけてリフレッシュするラベンダーウオーター(買うでしょ)

 

しかし、ここのイチオシ商品と言えば、熟練のフレーバリストに長い時間をかけて調香させたというファームオリジナルの食用ラベンダーエッセンスが入った、『Kentish Lavender(ケントのラベンダー)』味のアイスクリーム。 もう昔から大ファンで、私の中ではこれを食べないと夏が始まらない、かき氷のようなポジションに鎮座する一品。 濃厚なミルクの美味しさとラベンダーの香りとのバランスが絶妙で、何よりも安っぽく紫に着色してないところが優秀。 ニューヨークのマグノリアベーカリーで着色料たっぷりのカラフルなカップケーキを毎日作っていた私は、このアイスクリームの蓋を初めて開けた時に目から鱗が落ちました。

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無着色に感じる品の良さ
 
私の中ではずっと『近所のラベンダー畑』的な位置付けだったこのキャッスル・ファームですが、ここ数年の内にSNSで話題を呼んで人気が急上昇! 今では自撮り棒を持って何やら中継している人やら、モデルのようなポーズで撮影している女の子たちでいつも混み合う、ロンドン郊外屈指のインスタ映えスポットに昇格した感あり。
ロンドンから電車で小一時間で来ることができるので、日本の皆さんにも是非日帰り旅行で訪れていただきたいケントの名所の一つです。
 
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Castle Farm/キャッスル・ファーム
 
 
 

 

ギャンブル五月|Satski Gamble

日本カップケーキ協会主宰。ニューヨーク州立大学卒業後、ウェスト・ヴィレッジのマグノリア・ベーカリー本店にて6年間腕を磨く。ロックバンドのメンバーとしても活動し2度の全米ツアー後、渡英。現在は美しい田園風景が広がる“Garden of England(イギリスの庭)”と呼ばれるロンドン郊外はケント地方に暮らす。著書に『イギリスから届いたカップケーキデコレーション』(SHC)。
Instagram:@satskigamble
Twitter:@satski_gamble

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