Butterdrop Diary 『ロンドン郊外のカントリーライフ』

旬の味ワイルドガーリックのスープ

2月から5月上旬にかけて生育して旬を迎えるワイルドガーリック(行者にんにく)は、見て、食べて、飾って楽しめる稀有なお花。イギリスではなかなか手に入らないニラの代替え品になるので、周りの日本人は嬉々としてこぞって山奥に採集に行きます。そして採ってきたワイルドガーリックのお裾分けやレシピの交換、採集場所の教え合いっこもまた楽しい。ちなみにイギリス人は食べ方がわからないみたいで、興味がある人は少ないようである。

こちらは2月下旬に発見したワイルドガーリック。これくらい若い葉の頃は強烈な香りがあたり一面に漂うので、見つけるのも簡単。柔らかくて一番美味しい季節と言える。

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煮てさ、焼いてさ、食ってさ

4月には葉っぱも大きく&固くなって、白いお花が咲きだす頃。香りも弱まって、観賞用のお花へとシフトする感じ。

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ほとんど日本のニラと味が同じなので油炒めや餃子に入れる人が多いみたいですが、私のお気に入りはなんと言ってもワイルドガーリックと卵のスープ。数年前にリスボンのレストランで食べて感激した、ポルトガルのアレンテージョ地方の伝統的な『アソルダ・ア・アレンテジャーナ』という緑色のスープにヒントを得て自分なりにアレンジしてよく作る、家族も大好きな一品。

本来のレシピではワイルドガーリックではなくてコリアンダーが使われていて、ベースになるスープは乾燥のタラの戻し汁を使うらしい。炭水化物と野菜とプロテインが取れるので、ギャンブル家の春の朝ごはんはもっぱらこれです。

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作り方は至って簡単&安価&材料も少ないので是非一度作ってみてください。

材料:

  • ワイルドガーリック/ニラ/コリアンダー 一掴み
  • にんにく 2個
  • だし汁(コンソメとか鶏ガラスープでも可)
  • シーソルト/岩塩/良質のお塩
  • エキストラヴァージンオリーブオイル(緑色のガラス瓶に入ったもの推奨)
  • 卵(平飼い推奨)
  • 硬くなったパン(サワードウ推奨)

作り方:

  1. コリアンダーとにんにくをみじん切り/フードプロセッサー/スリコギ等で細かくしておく。
  2. パンはトーストしておく。
  3. だし汁を煮立てて塩を加えて味を調整したら、卵を落として半熟まで火を入れる。
  4. スープ皿に①のペーストを入れ②のスープを注いで③のパンを入れて卵をそっと置いて、最後にオリーブオイルを掛け回して出来上がり。

コツ:

とにかく素朴でシンプルなスープなので、良いお塩と良いエキストラヴァージンオリーブオイルと、平賀いの卵を使うとなおさら良い。

ちなみに①にオリーブオイルと塩を混ぜて作ったペーストはお肉や魚にも合うし、サンドイッチのスプレッドとしても使えてとっても便利。一度子供のお弁当に持たせたところ、『にんにくの匂いが強すぎて恥ずかしかった・・・』って言われちゃったけれども。

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緑のスープはイギリス人シェフ、ジュリウス・ロバーツも紹介してたので、こちらも参考にどうぞ。

ギャンブル五月

ニューヨーク州立大学卒業後、ウェストヴィレッジのマグノリア・ベーカリー本店にて6年間腕を磨く。ロックバンドのメンバーとして2度の全米ツアー後、渡英。現在は田園風景が広がる『Garden of England(イギリスの庭)』と呼ばれるロンドン郊外はケント地方に暮らす。著書に『ニューヨーク仕込みのカップケーキデコレーション』『イギリスから届いたカップケーキデコレーション』(SHC)。日本カップケーキアカデミー代表。
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Twitter:@satski_gamble

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