
黒猫チャリのお留守番。
9月に入り、エクス・アン・プロヴァンスも一気に秋になりました。
2週間前まで、布団もかけずに寝ていたのがうそのよう。
「イタリアで猫さがし。」の途中ですが、バカンスつながりで書いておきたくなったのが、我が家のお隣に暮らす、「チャリ」ことCharlieのお話。この夏、お隣さん一家がバカンスで家を空ける間、チャリのお世話(といっても様子を見に行くだけ)を仰せつかりました。


猫のなかでは割と大きめ、手足もがっしり骨太、ちょっとガニ股。ふわふわの尻尾は時に同居する犬にはむはむされ、よだれまみれでべっとべとに。(そんなちょっと哀れな姿をかわいらしさ半分、おもしろさ半分で覗き見てしまう隣人は私。)いまの家族に引き取られる前から目が不自由で、生まれつきなのか、生まれてから何かあったのかはわからないとのこと。
普段は人間2人、犬3匹、猫1匹の大所帯で暮らしているチャリ。いつもは私に触られることすら嫌な顔をするくせに、留守番中は家に入るとどこからか飛んで現れ、喉を鳴らしながら足にまとわりついてくるほど甘えん坊に。猫に甘えられるって、ほんとうに良い気分。たまりませぬ。


周囲の様子を見ていると、フランスでは、犬は人間のバカンスに連れて行ってもらえるケースが多そう。(家族とバカンスを共にしている犬たちは、犬種問わずよく躾けられていて、過保護な扱いも受けず、当たり前のように家族の一員として澄ました顔をしている。)
一方、猫はやっぱりお留守番になりがち。それでも、こうやって隣の人に鍵を預けて家を空けられるって、(預けられた自分が言うのもなんですが)良いなと素直に思います。我が家も不在の間は、お隣さんに植物の世話をお願いしました。持ちつ持たれつ。大げさですが、そんな夏のやりとりに、人間らしい暮らし、みたいなものを考えさせられました。
どうもありがとう、チャリ。
そして、留守番中ごはんを食べ過ぎたチャリは、ひとまわり大きくなって、帰ってきた飼い主を驚かせていたことも書き残しておきます。
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