うちの大家さんは、素敵で無敵なムシュー。
フィガロっぽさどころか猫要素もいっさい感じさせないタイトルに、自分でもこれで良いのかと思いながら、こんにちは。
私が住む家の大家さんは、推定年齢65歳の、わりとおしゃれでイケているムシュー。同じ敷地に住んでいるので、ことあるごとに心配してくれたり、夏にはお庭のプールにも入れてくれる、とても優しいお方です。入居日に合わせてバラを摘み、部屋に飾っておいてくれる気くばりも。
そしてこのムシュー、大家としての仕事ぶりもけっこうすごいと思うんです。
まず、庭の木の剪定なんて当たり前。どこかで水道管が破裂すれば、自ら工事を行い、我が家の木製のドアから虫が大量発生したと聞けば、虫用ニスみたいな液体を片手に現れ、ドアに塗りぬり。火花を散らしながら(上半身裸で)電動のこぎりを握っている日もあれば、昨日は、うちの車が突然動かなくなるという大ピンチに、すぐさま機械を持って来て車を復活させてくれました。
私、日本でもしもこんなことが起こったら、とにかくどこかに電話して助け呼びますけど、みたいな内容を、様々な工具と技術を駆使して解決してのける、無敵のムシュー。
そう、とにかく何でも、自分でやるのです。
これ、フランス人みんななのか、大家さん業だからなのか、はたまたうちのムシューだけなのかわかりませんが、DIYのレベル感がなんか日本とは違う。郊外のホームセンターは、本気で家を建てられるような規模と品揃えをしているし、てゆうか、私がいま住んでいる家も、実はムシューの手作りなんじゃないかと思う節々があり、ちょっとびびっている今日この頃。手作りの家ってフランスでは普通なんでしょうか……
そんな大家さんの敷地周辺を、いつも我が物顔でうろついている野良猫たちの1匹がこちら。他の猫と比べて警戒心が強く、絶対近くには寄らせてくれないワイルドな子です。
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