
カフェラテ色した迷子の子。
フランスの古い建物や、建物が密集した街の作りを見ていて、おもしろいなと思うことの一つは、門や壁の内側の世界が、外からは想像もつかないということ。
例えば、外の通りからアパートを見ても、ただ並んでいる窓からは、どこからどこまでが一部屋で、何人の人がその建物に住んでいるのかわからない、みたいな。普通のアパートだと思っていた建物も、扉が開くと奥に広ーい中庭と立派な階段がちらりと見えて、急にそのアパートが高級感を帯びて見えるようになったり、とか。
もう一つ言えば、私の家の、塀を挟んで隣にある家は、庭もついた大きな家なのですが、隣に住んでいながら、私はどうやったらその家にたどり着けるのか知らない、とか。
(数ヶ月に一度、何とも楽しげなジャズの生演奏が聞こえてくる、このお宅。ある日思い立ってgoogle mapと音を頼りにあらゆる方向からアプローチしてみたのですが、結局その家に通じる入り口は謎のまま。)
と、こんな感じで、一枚壁を越えてしまえば、いとも簡単に「ここどこ」状態になれるであろう、フランスの古い街。
そしてこれ、人間だけでなく、家猫にとっても同じなようで。
我が家の門を出て、20歩ほど歩いた先にある家で飼われている、カフェラテ色のイケメン(以後、カフェラテ)。彼、このちょっとした距離で迷子になってしまい、数日間、私の家で避難生活を送っていました。
迷子猫だとわかったのは、facebookの迷子猫検索ページから。(地域ごとに、こういうページがいっぱいあるのですね〜!)このページのおかげで、飼い主が見つかり、カフェラテは無事ご帰還。
それにしても、ちょっと厚かましいレベルで人懐っこかったカフェラテ。飼い主が引き取りに来た後、私はちょっとしたカフェラテロスに陥ってしまいました。
まあ、近所なんで、いつでも会いに行けますけど。
ARCHIVE
MONTHLY