南仏でコルビュジエ建築を体感。前編。
二年前、上野の国立西洋美術館が世界遺産に登録され、話題を呼んだル・コルビュジエとその建築作品。主にフランスで活躍した建築家とあって、フランス国内にもその作品が多くあります。
そんなコルビュジエの作品のうち、南仏にあるふたつの世界遺産、マルセイユのユニテ・ダビタシオン(Unité d'habitation)とカップ・マルタンの小屋(Cabanon de Le Corbusier)を目指して、日帰りドライブをしてきました。メンバーは、夫の友人で東京から来ていた建築博士(!)と私の友達、そして夫と私。
長くなりそうなので、二回に分けてその様子をお届けしようと思います。
まず向かったのが、マルセイユのユニテ・ダビタシオン! airbnbでここの一室にお泊まりだった建築博士をお迎えにあがるとともに、ちょろっと見学です。
広い道沿いに現れる、巨大でちょっとポップなコンクリートの建物がそれ。
戦後、中所得者向けの高層公共住宅としていくつか建築されたもののうち、最初に建てられた場所がここ、マルセイユだそう。
人間のサイズをもとにコルビュジエが考えた黄金比「モジュロール」に則り設計されており、当初の部屋の間取りは、L字型の空間2つを上下で組み合わせてあるメゾネットタイプ。(言葉で説明されてもけっこう意味不明。)
現在はリノベされたりもしているようですが、このモジュロールってやつ(のせいなのかなんなのか)、小柄なアジア人からしてもけっこう狭め設定で、もともとの部屋はかなり窮屈そうです。
コルビュジエのモジュロール的には、人間の股下は86センチ。足、長い。
0階(地上階)のエレベーターホールと、4階の廊下。廊下には自然光が入らないので、真っ暗。各部屋の扉はカラフルでかわいい。(けど暗くて映えない。)
パン屋やレストランなどのお店も建物内にあり、屋上には、保育所やプール、体育館として作られた施設が。
そして、この建物で私が一番気に入ったのが、屋上にあるコンクリート階段。
エレベーターを降りてすぐ目に飛び込んでくるこの美しき階段と、奥に広がる、海。なんだかすごく完璧な姿に見えて、何枚も何枚も写真を撮ってしまいました。登っちゃいけないのが残念。
なお、予約なしで見学可能な部分は、3階、4階と屋上のみ。部屋の中を見るには、ガイドツアーへの参加が必要です。airbnbやホテル(Le Corbusier)を利用すれば宿泊も可能。建築好きの方はぜひ。
次回は、カップ・マルタンでコルビュジエが晩年を過ごしたという極小の小屋と、セットで見学できた、広くてめちゃくちゃ住み心地が良さそうなアイリーン・グレイ設計の家、「E-1027」をご紹介します。
280 Boulevard Michelet, 13008 Marseille
www.marseille-tourisme.com/fr/decouvrir-marseille/les-incontournables/la-cite-radieuse
Le Corbusier/ホテル ル・コルビュジエ
www.hotellecorbusier.com
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