
トゥールーズ夜散歩。「壊れた耳」のタパスバーへ。
旅の途中で立ち寄ったトゥールーズ。
ピンク色のレンガで作られた建物が多いことから、バラ色の街と呼ばれているのですが、私たちが着いたのは、夕方。(そして翌朝には出発。)ピンクかピンクじゃないか全然わからないくらい、日も暮れてしまった後、街歩きに出ました。
ミディ運河とクルーズ船。
初めての街にうきうきとしながら、大通り(なぜか車両通行止めになっていた)を歩いていると、なにやら不思議な匂いが。「むむ、工事中の匂い?」→「いや、発煙筒かな。」→突然、目と喉に痛みが。たぶん催涙ガス的なものでした。(後でニュースを見ると、黄色いベストのデモ隊と警察の衝突が近くであった直後だったようで。通行止めの大通りにはご注意を。)
なかなかないトラブルに巻き込まれつつ、まずは一番の観光名所、市庁舎前のキャピトル広場(Place du Capitole)へ。広場に出ていたマルシェ(デモの影響でほぼ封鎖)を通り過ぎ、次は世界遺産のサンセルナン教会(Basilique Saint-Sernin de Toulouse)へ。もちろん夜は開いていないので、外からぐるりと一周。今まで見たどの教会にも似てない。
思わず声が出るほどの美しさだったのは、ガロンヌ川と、両岸の建物のライトアップ。フランスのイルミネーションやライトアップについては、「ん?なんでこんな色にした?」と思うことがしばしばあるのですが、(古いシャトーを紫のライトで照らしていたり。)ここは、文句も出ない光景です。
ポン・ヌフ(Pont Neuf)。
オテル・ディウ・サンジャック(Hôtel-Dieu Saint-Jacques)は、病院です。
さて、夜でもなお美しいその街並みを堪能したところで、夕食のレストラン探し。バーやビストロの並ぶ通りで、一軒一軒メニューを見ながら歩いていた時、満席に見えたタパスバーの中から、店員さんが私たちに手招き。そうして入ったお店が、「L'Oreille Cassée(ロレイユ カッセ)」でした。
直訳すると、「壊れた耳」を意味する、ロレイユ カッセ。すぐにその店名の理由がわかります。このお店、シェフも店員も、みんな耳の聞こえない人たち。店員同士は手話でやり取りしていて、店内の客も、7割がた、手話で話しています。
手招きしてくれた、めちゃくちゃフレンドリーな店員さんに、メニューを指差して食事をオーダー。フランスにいながら、フランス語を話さなくてもいい空間に、居心地のよさを感じます。
お料理はと言うと、野菜のポタージュに、トリュフ風味のペーストがのったホタテのグリル……いただいたものどれもおいしくて。りんごとくるみとカマンベールのブルスケッタは、その後、我が家でも真似して何度か作りました。
お話好きのフランス人たち、手話でも、テーブルの会話は止まらないんだな〜なんて思いながら眺めたり、客に連れられ、店内にいた秋田犬らしき犬に、君は私に親近感を感じるかい? とテレパシーを送りながら見つめたりして、楽しい食事の時を過ごしました。
時間がたっぷりあれば、なんだかシュールそうなアミューズメントパーク、シテ・ド・レスパスとか、エアバスの組み立て工場にも行きたかったな〜という思いが残る、トゥールーズ。いつかまた行きたい街の1つです。
Place du Capitole, 31000 Toulouse
Basilique Saint-Sernin de Toulouse/サンセルナン教会
Place Saint-Sernin, 31000 Toulouse
L'Oreille Cassée/ロレイユカッセ
22 Rue des Blanchers, 31000 Toulouse
www.facebook.com/loreillecasseebaratapas
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