南仏プロヴァンスで猫さがし。

コルシカ島で猫さがし。ボニファシオ、絶景だらけ編。

フランスに住んでからというもの、バカンスに本気の山登り靴を持参するようになりました。いつどこで、山道が待ち構えているかわからない。いつどこで、岩を登らねばならぬかわからない。

さて、フランス人もうっとりさせる美の島、コルシカ島を巡る旅ブログの第二弾、引き続き、断崖絶壁の上に立つ街ボニファシオからお届けします。まずは、庭でおトイレをなさっていた猫さんから。御用が終わった後、撮らせていただきました。すっきりとした表情ですね。

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ボニファシオの全貌、明らかに。

「断崖絶壁断崖絶壁」と言いつつ、その街の姿を前回は載せきれませんでした。というのも、崖の上にひしめき合う旧市街の建物を見るには、当たり前ながら、街から少し離れなければならないのです。そして、街から離れる方法はふたつ。陸路で離れるか、海に出るか、のどちらかです。

とにかく、はるばるここまで来たのですから、絶景と呼ばれるその街並みは見ておきたいところ。港でボートツアーのチケットを買って、約1時間の船旅に出発です。

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このツアーで見られるのは、ボニファシオの旧市街や、アラゴン王の階段の他、天井部に空いたコルシカ島型の穴から、幻想的な光が差し込む洞窟(La grotte Sdragonato)、透明度が高すぎてびっくりする入り江(Les calanques de Paraguane)、ナポレオンの帽子型の入り口をした洞窟(Le chapeau de Napoléon)、なども含まれます。

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ついさっき息も絶え絶え往復した、アラゴン王の階段。ここから見ると、綺麗にまっすぐ岩が切り取られているのがわかります。

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ボートからの景色は、想像どおりの美しさ。崖からはみ出るように建つ旧市街の驚きの光景と、透き通った海の水、その中を泳ぐ無数の魚たち、そして、どこまでも続く真っ白な石灰岩の断崖……お金払った価値あり。

そして翌日、今度は偶然、陸路で離れた先からの絶景に出くわすことに。

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世界一美しい隠れ家ビーチ(私調べ)へ。

ボニファシオ周辺には、25ものビーチや入り江があると言います。
翌日、朝一で目指したのは、サンタントワーヌの砂浜(La plage de Saint-Antoine)。すぐそばに洞窟(La grotte Saint-Antoine)もあり、両方楽しそう! ということで行くことにしたものの、、、行き方は、わからない。

頼りのgoogle mapでは、道は手前までで途切れている。ホテルのフロントで道を聞いてみると、そのビーチは徒歩でしか行けない、ホテルに車を停めて歩いて行った方がいいとのアドバイス。

でももう、この日、午後には次への移動が迫っていた我々。「行けるところまで車で行ってみよう。」と強気の判断を下すことに。結果、車で行くという判断は正解。途中、ビューポイント(Point de vue Citadelle de Bonifacio)も通過して、丘の上から、緑の絨毯の先に広がる旧市街の大パノラマを拝むことができました。

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その後、行き止まりになったところで車を降り(google mapで調べた座標では、41.373692, 9.179374の地点)、最後はやはり、獣道ハイキング。旅の相棒トレッキングシューズの出番です。

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コルス全土に広がる、低木のハーブの森、マキ(Le maquis)。ローズマリーやセージなどのいい香りがします。

「美しい景色を見るには、苦労をせんといかん、世界中の絶景をスマホひとつ、インスタひとつで見れるようになったとはいえ、生で見るには、苦労がつきものじゃ。」

なぜかおじいさん口調でそんなことを思いながら、強い日差しのなか歩きます。これ、5月だから、まだましです。真夏のコルスはやめた方がいい、という助言を思い出し、心底同意。(暑すぎる、人が多すぎる、ただでさえ狭い道が混む……)

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そして歩くこと15分、目の前に広がった景色がこちら。

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右に進むと、地面に大きな穴が空いていて、海から繋がる洞窟の中を見下ろせます。これがですね、人魚がいても不思議ではない感じの雰囲気。

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左手には、私史上世界最高のビーチが出現。大きな犬を連れたカップルがすでにひと泳ぎ終え、岩の影で休んでいる以外、だれもいない、エメラルドグリーンの海。地球上に天国と繋がっている場所があるなら、きっとここに違いない、ここまで歩いて来て、よかった……コルス、どこもかしこも海は美しいけど、ここ、絶対おすすめです。

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遠くの方に突然ボートで現れた、スタンドアップパドルのみなさま。このまま洞窟内へ。波の穏やかな地中海、さぞ気持ちよいことでしょう。

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コルスごはん。

今回の旅にあたり、いろんなアドバイスをもらったなかで、ああこれも正しかったなあと思ったことの一つが、「食事にはあまり期待するな。」でした。名産は豚加工食品ですが、サラミがメインになるわけもなく。レストラン探しにはちょっと苦労。

いくらガイドブックに載っているからって、観光客向けの見かけだおしで高いだけの店なんていや。知り合いもいない観光地で、現地の人たちが通うような、おいしい店を見つけ出すことの大変さよ……。そんななか、ここアタリ! と思えたボニファシオの旧市街にあるレストランが、ル・プチ・パレ(Le Petit Palais)。

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メニューに並ぶのは、イノシシ肉のワイン煮込みや、魚介のミックスフライなど、他のレストランと大きな違いはありません。でも、料理が普通に美味しい、店の雰囲気がいい、店員さんの接客がちゃんとしてる、というのはもちろん、アタリだと思った最大の理由は、隣の席でごはんを食べていた人たちが、すぐ近くの店で勤める現地の人だった、ということ。そんな店を探り当てた、自分たちの嗅覚にちょっと誇りを感じた夜でした。

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前菜のシャルキュトリー盛り合わせ。コルスのハムは、燻製感強め。しっかりおいしい。

こうして大満足でボニファシオ滞在を終え、次の街へ向かいます。

Société des promenades en mer de Bonifacio(ボートツアー)
Quai Jérôme Comparetti, 20169 Bonifacio
www.spmbonifacio.com

Le Petit Palais/ル・プチ・パレ
9 Rue du Palais 20169 Bonifacio
www.facebook.com/pages/category/Restaurant/Le-Petit-Palais-418493682278256

中川史恩

都内在住、猫好きエディター。フランス生まれの保護猫ミャウと暮らす。好きな食べものは帆立の貝柱とチップス全般。苦手なものは直射日光。将来の夢は鶏と暮らすこと。@chez_miaou

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