デコラトリスによる洗練探しの旅

プーリアレポート② レッチェのホテル

こんにちは、デコラトリス 多賀谷洋子です。

前回、レッチェバロックについてお書きしましたが、引き続きプーリアのレポートです。

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プーリア州の旅、最初はレッチェからスタート。

プーリアの中でもレッチェは、前回お書きした通り、街全体が美しい建造物で溢れ落ち着いた空気感を醸し出すエレガントな街。時間がゆっくり流れ、波長が合うようで、とても気に入りました。ここは、人が親切で、食事も美味しく、ずっと教会や建築を愛でていたいと思わせる場所なのです。まさか、素朴さのイメージでしかなかった南イタリアのこの地に、このようなシンパシーを感じるとは意外でもありました。

さて、そんなレッチェのホテルには、19世紀末創業のクラシックホテルを選びました。

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重厚でラグジュアリー、ポッシュで典型的なイタリアンクラシックのホテルというより、何か新しい要素の加わったものはないかと探したところ、こちらは最近、「ドルチェヴィータ」をテーマに改装したとのことで、興味をそそられ泊まってみることに。

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抜けるような青空の下、レッチェの特有の蜂蜜色の街並みにしっくり溶け込んだ外観で、ホテルのキーカラーは赤と、茶、オリーブのグラデーション。

赤で統一されたロビー空間のウエエルカムピースは、ベネチアンガラスのシャンデリア。完璧なまでのシンメトリーなバシリカ様式のアーチに、モダンアートのオブジェのようなベネチアンガラスの組み合わせは、強烈なインパクトで見事なる新旧の融合です。

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 内装には、レザー、ベネチアンガラス等イタリアならではの素材を惜しみなく使っていていますが、これ見よがしに、どこもかしこも重厚ラグジュアリーな雰囲気というのは微塵も感じられず、かといって、ミラノのようにスノッブで完璧なフォトジェニックモダンという訳でもありません。古さや抜け感が共存しつつ、南イタリアらしさを感じさせ、とても居心地のよいホテルでした。

パブリック空間には至る所にベネチアンガラスのミラーやオブジェがありますが、いづれもすっきりとしたデザインな為コテコテした印象は皆無。無機質なモダンさの中に緩やかさが加わり独特の雰囲気を作り出しています。

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エレベーターの壁は、全面程よく飴色になったレザー張り。

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客室フロアーの階段や廊下の壁はよく見るとスエードが使われています。一体、どれほどのレザーを使っているのでしょう。このさりげない贅沢感には、心踊らされました!

そしてこの色、なかなか見つからない淡いオリーブがかったグレーベージュで、溜息が出るような美しさ。うっとり眺めたり、撫でたり、そしてシャッターを何度も切ったりしていましたが、当然のことながら、通りがかったメイドさんに不思議がられました。

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客室は、シンプルかつエレガント。アメリカのホテル並みにゆったりとした広さと配置は、南部だからこそでしょうね。

カラーは白を基調に、アース系オリーブと茶色のグラデーション。

椅子やテーブル等家具は全て、domodainamica社のステンレススチールのものを使っていますが、上質な織りのファブリックを使ったスローや絨毯にはルネッサンス様式の文様が散りばめられ、柔らかさの均整がとれていて、寛ぎやすくしてくれます。

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イタリアに行くといつも敗北感を感じるのは、マローネ(marone 茶色)とオリーヴァ(olivaオリーブ色)の使い方。

もうこれはDNAとしか言いようがありません!ファッションはもとより空間にも、茶色~オリーブ色の使い方が、老若男女、年齢、職業を問わず、とてもこなれていて、イタリア人特有の卓越した美意識とセンスを感じさせます。今回、このホテルでも、日本に持ち帰りたい程、たくさんの美しいマローネとオリーヴァに出会うことが出来ました。

 

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RISORGIMENTO RESORT
Via Augusto Imperatore, 19 - 73100 Lecce
Tel.+39 0832 246311 - Fax +39 0832 245976

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そして、プーリアでの新発見!なんと、プーリアはおまけパラダイスだということ。

こちらは、初日、ホテルのテラスバーでのアペリティーヴォ。

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アルコールを頼むと、オリーブやナッツは比較的どこでも出てきますが、タラーリ(こちらの特産クラッカーのようなもの)と、ポテトフライまでも運ばれてくるではありませんか!

他のバール等でも、オリーブ、タラーリ +1品何か、計3品が飲み物と一緒に出て来ます。さすが、イタリアきってのオリーブと小麦の街!食材の宝庫プーリアでは、滞在中、充実のアペリティーヴォを何度も過ごすことが出来ました。

 

そして、プーリアでマストは、このチーズ「ブッラータ」

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製造後、48時間以内がベストとされるため、州内消費がメインで他の州では殆どお目にかかれない貴重なチーズです。

素朴さ満喫かと思っていましたが、それだけではない侮れぬプーリアの魅力、次回もどうぞお楽しみに!

 

 

 

 

 

 

多賀谷洋子

食空間デコレーター。雑誌編集、外資系客室乗務員を経て、テーブルコーディネーターに。ブライダルやパーティ、商業施設から個人宅まで幅広くインテリアデコレーション手がける。雑誌やレシピ本のスタイリングでも活躍。パリスタイル主宰、フランスチーズ鑑評騎士の会 チーズシュヴァリエの顔も持つ。著書「美しくなるチーズレシピ:“チーズは太らない!”ダイエットも、アンチエイジングもチーズにおまかせ!」が話題。

http://paristyle.jp/

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