京都「椿堂茶舗 茶房 竹聲」へ
デコラトリスの多賀谷洋子です。今回も、プティ京都日記にお付き合いくださいませ。
少し前に、心地よい日本茶カフェに行ってきました。
前回、上賀茂神社での夏越祓についてお書きしましたが、実はその前日には伏見稲荷大社の夏越祓儀式にも伺っていました。
時代装束を纏った神官の方々により執り行われるこちらの儀式は、かくも神々しく雅な世界。
しかし、この日は警報が発令されるほどの強烈な暑さ。「酷暑京都」のお手本のような天候です。日陰での見学とはいえ、熱波と喧騒で朦朧としてくるほど。
人生で初めて、立ち眩みのような感覚に襲われました。
旅先で、いい年した大人が気絶などしてしまったら、あまりにもみっともない。見知らぬ他人へのご迷惑も計り知れず、なんとか儀式を見届けて、後ろ髪をひかれながらも退散することにしました。
茅の輪くぐりはおろか、千本鳥居に近づくことさえせず、よたよたしながらタクシー乗り場に向かいます。
稲荷様、またの機会に。。。秋風の頃にお詫び詣いたします。
冷房のきいた車内でようやく生き返り、10分程で着いた場所は、私の京都must goにリストしていた墨染にある「茶房 竹聲」
伏見の有名な茶商「椿堂茶舗」に併設しているカフェです。
建物は表通りに面していますが、茶房入り口は風情のある路地の先。
店内は、どことなく台湾の茶芸館のような雰囲気。
ティータイムには少し早めの時間帯だからなのか、他にお客様はどなたもいらっしゃらず、先ほどの喧騒とは対極のしんと静まり返った心地よい空間です。
玉露ときんとんのセットをオーダーしました。
扱いがデリケートな玉露、砂時計をぼんやりと眺めながら茶葉が開くのを待ちます。
ひっそりとした空間で、手入れの行き届いた中庭を望みながら、一煎ごとに変わる、繊細な宇治の極上玉露の風味を心ゆくまで堪能します。
いつも隙間時間の京都旅ですが、今後はもっとこういう時間が必要だわ、とますます京都熱が高騰してきます。
椿の季節になるど、蹲には椿を生け込むようですが、この時はトルコ桔梗が。
水面に映る青紅葉、なんて美しいのでしょう。
細部に至るまで配慮された客人をもてなす精神に、改めて気づかされました。
ここは、吟味された、丹精込められた、という言葉が似合う大人の場所。
世情を少し離れて、お茶とじっくり向き合えることができます。なぜ、もっと早くに来なかったのでしょう!
今度は焙煎の効いたお茶を味わいに是非再訪しよう、と早くも秋の京都旅を目論みカレンダーを眺める日々です。
☆茶房 竹聲
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