デコラトリスによる洗練探しの旅

リュイナールで迎える、サンクトペテルブルグの朝

デコラトリスの多賀谷洋子です。

この夏、初ロシア旅に出かけましたが、想像をはるかに超えた満喫時間を過ごしてきました。

お食事は、素朴で大味というイメージを持ち実は懸念していましたが、少なくとも、私が滞在した数日間では、そんなことは全くの皆無。期待を裏切り?とても繊細で滋味あふれたお味を愉しむことが出来ました。

さて、サンクトペテルブルグでの滞在に選んだのは、SO sofitel。

この街では、ツーリストにとって流しのタクシーが信用できない(ぼる?!)ということを、現地事情に詳しい方々から聞いていたため、プライオリティの最も高いエルミタージュ美術館に徒歩で往復できることをまず第一条件に、イサク大聖堂もワンブロック先というこのホテルを選びました。

73375441_2589779564415327_3324425882491158528_n.jpg 72756393_2589775124415771_6155391509077164032_n.jpg

accor系列のホテルはインテリアが洗練されていて、中小規模のところが多く、落ち着いて過ごせるため、よく利用しています。

ロビーラウンジの大胆なテキスタイル使いは、日本では絶対見ないようなカラーリング。

73482636_2589776114415672_6697639127426269184_n.jpg 72711380_2589775154415768_8911753570911518720_n.jpg

お部屋に入ると、結婚記念日のお祝いが。

特にメッセージで伝えたわけではないのですが、どこかのソフィテルに泊まった時に、アニバーサリーの記載をしたのかもしれませんね。

思いがけないサプライズ!

ハート全開のケーキやバルーンは、私に似つかわしくないようで背中がこそばゆくなりそうですが、心がほっとなごみます。

実は、久しぶりのコートダジュールも想像以上に充実してて、

「ロシアに行くのが憂鬱、なんだか面倒」と、後ろ髪惹かれながら飛行機に乗り込むことに。

どんより曇った空のロシアに降り立ち、重い気持ちで入国したため、

洗練されたホテルの雰囲気と、準備して下さったスタッフのホスピタリティに、それらが一掃されました。

さて、このホテルはサービスの質がとても高く、又、屋上テラスからの景色やスパも感動的に素晴らしかったのですが、ダイニングが特に印象的でした。

滞在中の毎朝、ロシアの旬なハイエンドを垣間見たような気がします。

73127233_2589701487756468_1636067293471440896_n.jpg 74661824_2589701334423150_7591852924771237888_n.jpg

ロシアの果物と言えば、「こけもも」

様々なヴァリエーションでのこけもも素材を、食すことが出来ました。

ジャムや、ヨーグルトに添えるソース。

73085284_2589701597756457_4758112332700188672_n.jpg

もちろん、ジュースも。

一般的なオレンジやグレープフルーツに交じって、ホームメイドのこけもものジュースがあります。

酸味がふくよかで、ねっとりとネクターのような濃厚なお味。

75237501_2589701501089800_3819466385713528832_n.jpg

74687733_2589779804415303_902717239885561856_n.jpg

74979494_2589779824415301_7433069006040334336_n.jpg

配給時代が長かったソヴィエト時代から、保存可能な食肉加工品が重宝されたため、この国はシャルキュトリーが充実。

サラミもハムもとても美味!

75446606_2589701504423133_5299983956727300096_n.jpg

フレッシュジュースのカウンターには、ワインらしきものが。

リゾートホテルなどで、スパーリングワインをよく見かけますが、連日飽食の「朝からワイン」は、さすがに顔がむくみ、その日の行動にも響くため、パスすることが殆どです。

「どうせ、いつものプロセコでしょう」と軽くあしらいながら、でも一応と、エチケットを覗き込んでみたら

あら、リュイナールではありませんか!

そうなると、話は別。

開場一番にエルミタージュに乗り込まなくては、と前夜から下見に出かけ、ルーブルの10倍の規模を誇るという美術館の為に体力を温存していましたが、

やはり、頂きますわよ!

73504910_2589701744423109_4002479357422469120_n.jpgのサムネイル画像73073679_2589779811081969_3949392234499014656_n.jpg

重厚感のあるカットクリスタルのクープに注がれたリュイナール

ファベルジェエッグを彷彿させるような銀のシュガーサービスは、

永遠の都サンクトペテルブルグの朝に似合います。

せっかくなので、普段は頂かない卵料理までも追加。

75264786_2590418477684769_4859156630954049536_n.jpg

そして、ロシアと言えば、黒パン。エッグベネディクトに添えられた数種類のパンはどれも滋味豊かです。

ウイークデーですが、フィギアスケーターさながらの九頭身のサービスマンが、こなれた物腰でリュイナールを勧めてくれて、周りを見回すと、ローカルと思わしき方々も特にハレの日という感じではなく、よく見ると高価なブランド品をさりげなく身に着けて、この雰囲気を日常的に愉しんでいるような洗練された様子。

これが、ロシアのハイエンドなのかしら、とぼんやりとした寝起きの頭で眺めてみたり。

このように、リュイナールの朝食は滞在中、毎日頂くことになるのです。

75464160_2589779681081982_8088569594815447040_n.jpg

二日目は、パンケーキを。

甘い「おやき」のような独特の食感。

日本のホットケーキにも、アメリカのパンケーキにもないむっちりとした下触り。味わったことのない、でも忘れられない病みつきになる食感です。

 

74790878_2590377191022231_350082986160422912_n.jpg

そして、三日目はクレープを。

いづれも、上品で濃厚なサワークリームとコケモモジャムが添えられています。

 

名残おしく後にしたフランス以上に、シャンパーニュを愉しんだロシアの朝。

まだまだお書きしたいことは山積です。別の記事も楽しみにご期待下さい!

 

 

SO Sofitel St Petersburg

6 Voznesensky Prospect, St. Petersburg, 190000,

 

 

73504698_2589779934415290_8487313512467529728_n.jpg

 


 

 

 

 

 

 

 

 

多賀谷洋子

食空間デコレーター。雑誌編集、外資系客室乗務員を経て、テーブルコーディネーターに。ブライダルやパーティ、商業施設から個人宅まで幅広くインテリアデコレーション手がける。雑誌やレシピ本のスタイリングでも活躍。パリスタイル主宰、フランスチーズ鑑評騎士の会 チーズシュヴァリエの顔も持つ。著書「美しくなるチーズレシピ:“チーズは太らない!”ダイエットも、アンチエイジングもチーズにおまかせ!」が話題。

http://paristyle.jp/

ARCHIVE

MONTHLY

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories