
渡月橋が借景ホテル、嵐山「MUNI京都」へ
デコラトリスの多賀谷洋子です。
コロナに翻弄されているうち、あっという間の年の瀬、いかがお過ごしですか。
残念ながら、今年の海外渡航は断念しましたが、関西方面での仕事が多かったことで、ここ数年来、人の多さに辟易し、しばらく遠ざかっていた京都に、何度も足を運ぶことができました。
京都も、昨年から今年にかけて、新開業のホテルラッシュ。オリンピックのインバウンドを見越して、魅力的なラグジュアリーホテルがいくつもオープンしていますね。
クライアントのテーブルウエアやインテリアブランドの商品が採用されているところも多く、どうしても視点が偏ってしまうのですが、備忘録として、印象に残った嵐山のホテルをご紹介します。
初秋の渡月橋をうっとり眺め、向かった先は、
オープンをずっと待ち望んでいた、アラン・デュカス氏がダイニングプロデュースする「MUNI KYOTO」
「唯一無二の景色」がコンセプトなのだそうで、嵐山の景色と一体となった空間がこの上なく美しい場所です。
まずは、デュカス氏の熱烈ファンの友人も絶賛していたテラスのランチへ。
テーブル席もありますが、やはりカウンターで
嵐山が借景となるこの空間、これだけでも贅沢ですが、改めてデュカスの味は絶品!だ再認識。
「素材を生かす」ことを哲学に持つ彼の料理はシンプルで、所謂「映え」とは無縁かもしれません、というより、そういうものは超越し、全く別の次元に君臨しているような風格。いつもながら、素直に美味しいと感じさせてくれる味なのです。
特に、前菜「タコのセビーチェ」が秀逸でした。
京都に来ると、「日本料理を極める!」の勢いで、食すのはなるべく日本料理と決めています。地元の美食家や料理エディターの友人たちから、和食以外の通好みの名店をいくつも紹介して頂いてはいるものの、やはり、せっかくの京都、「よいお出汁の味を頂かなくては!」と、和食を選んでばかりいますが、こちらは、わざわざ来る価値のある、アラン・デユカスのエッセンスを体感できる場所。
これからは、選択肢に柔軟性を持たせ、日本料理以外のものにも目を向けようと、今更ながら、京都フレンチに開眼したのでした。
地下には、もう一つ、ガストロノミックレストランがあります。こちらこそが、アラン・デュカス&京都との融合が存分に発揮された空間ですが、こちらについては、又別の機会に。
さて、枯山水の中庭を隔て、客室に向かいます。
ドアを開けると、飛び込んできた、絵画のようなこの景色。
テラスに出てみました。
こちら、この客室専用の空間ですよ!
外壁部分に植樹のおかげで、プライバシーも保たれています。
すぐそこには川が流れ、せせらぎの音に癒されます。
雄大な嵐山の景色に目を奪われつつも、イタリアンモダンなファニチャーを多用した、リビング部分のレースのカーテンに釘付けになりました。
なかなか画像ではお伝えできないのですが、オレンジ~ベージュまでグラデーションされた繊細なオーガンジー。ゴールドの細かいラメは入り、なんとも上品。タッチパネルなどで操作するシェードが主流になりつつある中、こんなにも贅沢なウインドートリートメントにするとは、やはり小規模なラグジュアリーホテルだからこそですね。もう、うっとりです!
余談ですが、ちょうど、コロナ渦で自宅インテリアを見直して、諸々変えたいと思っていた時期でもあったので、拙宅リビングにもこのテイストを取り入れたくなり、東京に戻った後、カーテンのショールームに駆け込みました。
しかし、その一方で懸念はUV。美白ケアを自宅でも怠りたくない私としては、機能的にはUV加工の生地を選び、24時間、紫外線をシャットアウトしたいところですが、機能を重視すると、それに比例して生地の厚みが出てきて、どうしても繊細さとラグジュアリー感から遠ざかってしまうというジレンマが。
その解決策として、窓ガラスにUV加工を施すことにしました。そうすることで、透け感のあるカーテンを選ぶことが出来ます。
(現在、業者を探し中です。どなたか、ご存知の方がいらっしゃいましたら、是非教えて下さい!)
観光地に来ると、ついつい欲張ってあれもこれもと予定を入れてしまいがちですが、
ひたすら景色を見ながら、心に向きあうのも、コロナ渦での贅沢な京都の過ごし方かもしれません。
そうそう、MUNIにいらしたら、併設のパティスリーブティックに立ち寄るのもお忘れなく。
左は、フレンチサイズの抹茶マカロンですが、これがとても美味!再訪を約束させるお味でした。
アラン・デュカスが構築する、唯一無二が溢れる場所「MUNI KYOTO」
何度目かの京都旅に是非!
☆MUNI KYOTO
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