フォションホテル京都へ
今年初の京都旅、宿泊は「ホテルフォション」でした。
こちら京都のフョションは二度目の滞在ですが、初訪問の前回は、コロナ渦で閑散とした中、資料をかかえながらの出張のため寝に帰るだけ、しかもソロ!というやや残念な滞在だったため、今回ようやく余裕を持って過ごせたように思います。
京都らしく、和素材や吉祥文様を随所に取り入れたインテリアなど、前回見落としていたところもじっくりと観察することができて、やはり心にゆとりがあるプライベート旅は格別ですね!
以前、パリのフョションホテル滞在についてお書きしましたので、今回はパリと比較しながらレポートさせて頂きます!
さて、チェックインはパリ同様、マカロンを頂きながら。
こちら、パリに続く初の海外進出のホテル。
レセプションは、艶やかな麻柄文様で仕切られた、古伊万里や螺鈿など骨董品のディスプレイが目を引き、とても居心地良し。ちょっとまったりとしたいほどですが、お部屋に向かいます。
リビング空間から、ベッドルームに至るまで、フォションピンクの世界が広がっています。
とはいえ、髄所に和が融和しているため、パリより時間の流れがゆっくりで、激しい色彩ながらも落ち着く空間に仕上がっているのです。
最近、フランスのホテルはエコが急ピッチで進み、アメニティがどんどん簡素になってきていますが、こちらはシートパックなども用意されているほどの充実ぶり。
ところで、フォションのインルームのお楽しみといえば、やはりグルメバー。
こちらのホテルの客層は、キラキラ女子旅のような雰囲気の方が多いからか、パリよりスイーツが豊富。
そして、日本らしく至れり尽くせりなホスピタリティで、持ち帰り用に、京都の客室限定のエコバックまでも用意されています。
こちらはグルメバー限定、老舗井筒八つ橋本舗とコラボした「フョション夕子」
トートに入れて持ち帰り、後日自宅にて開封しました。
フランスらしくローズペタルジャム餡もありましたが、まずは、こちらノワールを。
竹炭で着色したもので、中はアールグレイ紅茶餡というハイブリッド。
そうそう、リビングのアートフレームは釣り鐘型の花頭窓がモチーフ。この古都らしい粋な装飾、真似したくなります。
ところで、京都での食事はどうしても日本料理を優先しがちで、しかも今回は今年初の京都ということで、ディナーは行きつけの料亭さんに行ったのですが、こちらのフレンチも心惹かれる雰囲気でした。
そして、朝食は「グラン・カフェ・フョション」へ。
典型的な「プティデジュネ」というより、むしろ日本人好みにアレンジされたアメリカンブレックファーストですが、さすがは素材目利きのフョションだけあって、厳選材料だということがすぐわかるお味。
何よりも、バターたっぷりのヴィエノワズリーが美味!
京都の朝食は、葛餡と、ちりめん、塩昆布で頂くお粥を何よりも好む私ですが、こんなパリライクな朝も、たまには良いかもしれませんね。
美食をモードの域にまで押し上げ、ガストロノミーをファッショナブルなものとしてアプローチする先駆けブランドでもあるフォションが、ホテル海外進出の第一号に京都を選んでくれたことがとても嬉しくて、滞在中、何度も「メルシー!」と心の中で呟き続けていました。(笑)
パリモードに、日本の伝統美を違和感なくマージさせ、絶妙なエレガント空間が成立するのは、東京や大阪などの大都市ではなく、やはり京都だからこそ。
ホテルが建つこの東山は、室町時代から幽玄で繊細な美意識が宿る地区。それ以前の貴族的で豪奢な北山文化とは異なり、わび、さび、はんなり等の形容詞が、京都のどこよりも似合う場所。そんな優美な場所に、フランスのエスプリを幾重にも織り交ぜて完成させたこのホテルでは、えもいえぬ居心地の良さを醸し出しているのです。
趣深い感性に触れる場所で、新たな美意識に開眼する時間となりました。
京都は、この先もホテル開業ラッシュが続くようで、滞在そのものを楽しむホテル探しの旅、相変わらずやめられそうにありません。
☆フョションホテル京都
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