シャネル映画とラリック
先日のリネンセミナーでご紹介した、「ラリック」グラスについてお書きしたいと思います。
もう15年近く前のこと、2010年はシャネル没後40年を記念して、3つのシャネル映画が公開されました。
しかも1度のみならず、それぞれ2、3回映画館に足をはこびました。
というのは、クラシック映画は、インテリアやファッション等ビジュアル的にも鑑賞ポイントが多いため、一度目はまずストーリーを追い、次はインテリア、食べ物、ファッション等感心のあるものを集中的にという感じで、何度かリピート鑑賞するのです。
そして、このシャネル映画三作品の中で、最も印象深いのは、
「シャネル&ストラヴィンスキー」
1920年代のパリ、
マドモワゼル・シャネルとロシア出身の音楽家イーゴル・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky)との物語で、その裏にある「No5」の誕生が描かれています。
主役は、当時、シャネルのミューズでもあったアナ・ムグラリス。
カール・ラガーフェルドが特別に衣装をデザインするなど、シャネル社全面協力であったため、当然のことながら、エレガントな着こなしも完璧。
それだけではなく、不敵なまなざし、他者を圧倒させる凄みのある雰囲気など、
これぞカリスマ、シャネル様!という感じでとにかく素敵。
他の2作品に比べて、主人公の圧倒的な美貌と強さ、そして官能的な内容でとても印象深い映画。
さらには、ラリック社が装飾協力をしているため、インテリアやテーブルウエアに多くのラリックが使われているので、この上ないラグジュアリー感。
私の記憶違いでなければ。。。
シャネルが物思いにふけりながら眺める鏡や、子供が牛乳?ジュース?を飲むグラスに至るまで、とにかくガラス類は全てラリックという、ラリックファンの私には、一瞬たりとも見逃したくない、万華鏡のように美しい画面が広がるのです。
そして、バックにストラヴィンスキーらしいメランコリックなピアノの音色が随所に流れ、五感が研ぎ澄まされるような、退廃的な美しき世界観を堪能できて、今でも見返したいほど。
ところで、フランスを代表するクリスタルブランドといえば、バカラやサンルイなどが浮かびますが、バカラでは主張が強すぎて、サンルイもちょっと違う。
やはり、それまで軽視されていた素材に新たな価値観を吹き込み、アールヌーヴォーで頭角を現し、そして、20年代のアールデコの時代に不動の地位を築いた、ルネラリックだからこそ、シャネルの世界観にしっくりとくる。
オパルセンガラスのニュアンスあるモダンさも、デカダンな雰囲気にとても合うのです!
ラリックが使われている画面を探してみました。
プログラムからの画像のため、若干の粗さはご容赦ください!
ダイニングテーブルの上、デカンタやグラスなどは全てラリック。
前回のブログでご紹介したグラス「ファセット」です。
このシーンを観て以来、フルート、ワイン、ゴブレットまで一通りの「ファセット」を購入したほどのフリーク!
グラスを使うたびに、この映画が思い浮かぶのです。
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