サンレモにて、aperolのアペロ時間
この夏のヴァカンスは、再びヨーロッパへ。
今回はニースから入り、イタリアのサンレモ、コートダジュール、そして初のマルセイユへと、陸路横断の旅となりました。
ヨーロッパあるあるで、やはりこの空港も税関を抜けた途端、もわっとする空気。そう、エアコンがないのです!
日本を出てからほぼ一日、ようやく乗り継ぎたどり着いた体に、疲れを倍増させるような生暖かさ。
しかし、外に出ると心地よい乾いた風が吹いていて、ヨーロッパの夏を実感します。
6月に訪問したロワールと異なり、本当に開放的な雰囲気。
ここから車で1時間強、サンレモへ。
最近のバカンスは、二か国巡ることが多くなってきました。
大きな理由は食。 どうしても同じような味に飽きてしまうため、移動が慌ただしいと思いつつも、国を変えるようにしています。
とはいえ、最後に立ち寄った超国際都市マルセイユはイタリア移民がとても多いからか、他のフランス都市よりイタリア料理店やジェラテリアが乱立し、お料理もサンレモの味付けとよく似ていたのですが。。。やはり、陸続きですものね!
さて、初訪問のサンレモですが、気さくなリゾート地という雰囲気。
特に観光名所が多いわけではなく治安も良いので、全く緊張感がなくストレスフリー。旅のスタートに体を休めるにはちょうどよい場所です。
サンレモといえば、まずは音楽祭が開催されるアリストン劇場へ。
小さな街なので、主要な場所へは徒歩で行けるほど、コンパクトにまとまっています。
近くのバールで、アペリティーヴォを。
北イタリアに来ると、日中に飲みたくなるのは「aperol アペロール」
照りつける太陽の下、カジュアルな空間に似合うのはプロセコより、断然、アペロールです。
そして、お供には、カッティングボードいっぱいに、たくさんのフォカッチャやポテトなどが。もちろん、コンプリメンタリー!
添えられたローズマリーと、オレンジの風味がよく合います。 やはり、イタリアはアペロ時間が楽しい!
他の都市などでは、コンプリメンタリーお供には、オリーブやチップスなどが一般的ですが、こちらサンレモではこのボードスタイルが主流なのか、滞在中、このようなボードと共にアペロ時間を楽しむ人をよく見かけました。
ところで、食べ物の誕生秘話を紐解くと、放置しておいたら偶然に、という逸話をよく耳にします。
例えば、
ブルーチーズの王様「ロックフォール」は、羊飼いが洞窟にランチ(ライ麦パンと羊チーズ)を置き忘れ、数日後に戻ったら、パンに生えたカビがチーズに付着。捨てるのはもったいないので、食べてみたら、あまりにも香しく魅惑的な味わいの虜になった。
又、シャンパーニュの場合、
瓶詰めしたワインをコルクで栓をしたままうっかり放置、瓶内で再発酵が進み、ワインが発泡。 当時泡の出るワインは不良品とされていたので、これは全くの失敗作。が、試しに飲んでみたところ、この上なく美味だった。そして、当時、この作業を担当した酒庫係の修道士こそが、ドン・ペリニョン(正式にはピエール・ペリニョンで、ドンdomは、修道者の称号)
などなど、偶然の産物秘話は尽きません。
このアペロールも同様で、20世紀初頭、ヴェネト州パドヴァの青空市で売れ残ったオレンジを、袋に絞り出していたところ、その果汁が発酵しお酒となったことが起源だとされています。これに、ルバーブやゲンチアナ等様々なハーブやスパイスをミックスして現在の味が完成したようです。
そんなバックストーリーがあるからか、この鮮やかなオレンジ色のスピリッツには、輝く太陽が似合うのです。
太陽を存分に享受した今年の夏、少しずつ振り返りたいと思います。またお付き合いください!
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