
ルーアンのスパホテル
こんにちは、デコラトリスの多賀谷洋子です。いかがお過ごしでしょうか。
さて、前回に続きノルマンディーバカンスのレポートです。
インテリアやバックストーリーが魅力的なラグジュアリーホテルに泊まることを、ライフワークとしている私ですが、今回はルーアンのホテルについてお書きしたいと思います。
牧歌的なコロンバージュ(木組の建物)が立ち並び、旅情を誘うルーアンの街並み。
ここは、中世の頃はノルマンディー公国の首都であった為、どこか懐古的でありながらも、理知的で落ち着いた雰囲気を漂わせています。
私が今回選んだホテルは、街の中心広場に面して建つ「オテル・ドゥ・ブールトルルド」
歴史的記念物に指定された15世紀の建物を改装したホテルです。
広場に面しているホテルのブラッスリー。
パリより更に日照時間の少ないノルマンディーでは、この季節、何よりも貴重なのは太陽の光。その為、室内の席に座っている人は皆無ですが、テラスはほぼ満席です。
ヨーロッパのホテル選びのポイントとして、私は超コンテンポラリーより歴史的なホテルの方が好きですが、絶対的条件は古いままではなく、内装はアップデイトに改装されている所を選ぶようにしています。
なぜなら、老舗の革新こそが最も魅力的だと思うからです。こちらのホテルは、その点では理想的でした。
中庭に面した天井高の部屋は、ナチュラルトーンにモダンな家具が溶け込み、シンプルで落ち着いた雰囲気。
トランスパランのルイゴースト、ハラコのチェア等、インテリアとテキスタイルはやはり上質。
何よりも感動的だったのがウインドートリートメントで、床から天井まで届く一面の窓に、シルクジャガードのドレープがたっぷりと贅沢なまでに施されていました。
こちらも、お部屋のアイボリーにカラーコーディネートされたイタリアンマーブルのパウダールーム。
華美ではありませんが、木材、大理石等天然素材を贅沢に使っていてとても居心地よく、心身ともにリラックスできる空間です。
リシャールのコーヒーマシン。
カフェのシュガー等でよく目にする業務メーカーのものですが、ホテルのインルームで使うのは初めてです。
夜になると、窓の外はこんな雰囲気。
荷物を運んでくれたポーターの方が、「この部屋からは、ライトアップされた素晴らしい中庭の景色が楽しめますよ」と仰っていましたが、なるほど、夜はしっとりとした闇に包まれて幻想的。中世にタイムスリップしそうです。
このホテルは、15世紀の建物を何度もリメイクしてきているため、開いた空間を利用したライブラリー、アートギャラリーなどパブリックスペースが充実しているので、館内至る所でモダンアートが楽しめます。
そして、特筆すべきはスパ。
ハマムとエステもありますが、印象的だったのは、こちら中世の銀行の地下金庫だったという大理石プール。
嬉しいことに、プールは朝7時~オープンしていたので、早起きして泳ぎに行きました。ビジネスマンが早朝からワークアウトしているようなホテルではないので、当然のことながら誰もいません。時差調整、カロリー消費をすべく、ここを独り占めにして、幸せなルーアンの朝を迎えることが出来ました。
さらに、「これぞノルマンディー!」と感動したのは、朝食の時。
こちら、何だと思いますか?
なんと!林檎ジュースが入った大樽ですよ。
ノルマンディーは、フランスの青森県のような場所で、林檎のふるさとでもあります。ぶどう栽培の北限を超えている為、ワインではなく林檎をベースとしたシードル、カルバドス等が有名だということをご存知の方も多いかと思います。
他のオレンジ、グレープフルーツなどのジュースは普通のガラスのピッチャーに入っていますが、名産の林檎ジュースだけは、特別な樽に入っているのです。
地産地消という言葉が表すように、近所の農家さんから新鮮なものが運ばれてくるのでしょうね。
食にも美にも感動的なノルマンディーのレポートは暫く続きます。次回は、北のリゾート「ドーヴィル」についてお書きしたいと思います。
乞うご期待!
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