
bouquet de pivoines 芍薬のブーケ
急に暑くなりましたね。
いかがお過ごしでしょうか。
デコラトリスの多賀谷洋子です。
大好きな芍薬の季節となり、白いブーケロンを作りました。
ブーケロンbouquet rond とは、英語でbouquet roundと表す通り、
ラウンドスタイルの花束のことを言います。
仕事柄、インスタレーション等でいつも大量にお花を扱い、
様々なスタイルのフラワーアレンジを作りますが、
やはり、シンプルなこのスタイルのブーケが一番好き。
花持ちがよく、メンテナンスも楽なので、
自宅ではもっぱら投げ入れか、ブーケにしています。
ところで芍薬は、
小野小町、クレオパトラ等後世に名を轟かせた絶世の美女たちに愛された花として有名ですが、ご存知でしょうか。
フランス語でpivoines、英語でpoionyと呼ぶ芍薬の語源は、
ギリシャ神話の薬の神Paeon(ペオン)」の名前から。
芍薬の「薬」という文字通り、原産国の中国では万能の薬として珍重され、
小野小町も、これを煎じて愛飲していたとも言われています。
効能だけでなく、エレガントで柔らかい香りも魅力的で、
香水やスキンケアの原料に多用されますが、
やはり天然の香りに勝るものはありません。
部屋中に広がるたおやかなピオニーの香りに、清々しい初夏を感じ、
バカンスへの思いを巡らせています。
さて、大好きな芍薬ですが、このお花には苦しい思い出も。
芍薬が満開だった二年前のこの時期、
私はアンティークシルバーの本の出版を前に奔走していました。
銀の撮影は映り込みが有る為、それをカバーする為に通常の数倍時間がかかり、
予定を大幅に超えて現場のピリピリ感はマックス。
さらに、表紙撮影に関しては、編集会議でのダメだしを何度も受け、
途中、若干の意気消沈しながらもようやく完成させた本のことを、
芍薬を見る度に思い出してしまうのです。
芍薬のアレンジメントが表紙となったこの本ですが、
先日、デジタル化のお話を頂き、再校正をしました。
大幅に変更はありませんが、
若干、文言で気になる箇所が有る為、
少し修正を入れさせて頂いています。
デジタル版は、来週発売とのこと。
印刷では判別しきれない銀のエングレーヴィング等
テーブルウエアの詳細デザインを、拡大してご覧頂けるのもデジタルの魅力。
よろしければ、是非お気に留めて頂けたら嬉しいです!
では、バカンスシーズンに向け、
次回は、G7サミットで話題となったタオルミーナについてお書きしたいと思います。
どうぞ、素敵な初夏をお過ごしくださいませ。
インスタグラムも始めました!
https://www.instagram.com/paristyle_tabledecor/
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