
ソウルにて、白磁買付け
デコラトリスの多賀谷洋子です。
月末のビックサイト「インテリアライフスタイル展」で、大小合わせて計5台のテーブルデコをするため、準備も佳境に入ってきました。
連休中のソウル旅の目的のひとつには、白磁買い付けがありました。
韓国では青磁の方が圧倒的に有名で、私も韓国ビギナーの頃は青磁のティーセットなどを買いそろえたこともありましたが、高麗磁器の歴史をひも解くと、pureなものを尊ぶ儒教の信仰では、何物にも染まっていない白磁は貴族階級に珍重され、高麗文化において、白磁は最も貴族的なモチーフのひとつでもあるのです。
韓国には、著名な白磁の窯元がいくつもありますが、今回は、以前から伺いたいと思っていた、旴一窯へ。
韓国国内美術館他、大英博物館、台湾の故宮など美術館他、ソウルミシュランやヌーヴェル韓国料理レストランでも必ずといっていいほど目にする窯で、私自身気になっていたのですが、ソウルのクライアントに確認したところ、こちらの窯は別格の大統領府御用達。韓国プロトコールの場でも大活躍で、国賓級ゲストへの贈呈品として選ばれることも多いとのこと。
そんな魅力的なバックストーリーもプラスされると、尚更行かずにはいられません。本店は地方にあるようですが、そこまでの時間はないため、アポイントを取りソウル支店へ。
場所は、王宮などのあるクラシカルな地区、昌徳宮にあります。
近くに来ると、タクシーの窓から、韓服を着て歩く大勢の人の姿が視界に飛び込んできました。何かの撮影?かと思いましたが、この界隈、京都に例えると御所や清水寺のような観光スポット。京都で「外国人の着物で散策」風景をよく目にするように、ここも韓服にコスプレした外国人が多く、遠目には、韓流の時代行列のような、とても華やいだタイムスリップを味わうことができました。
あら?!一流食器とはいえ、気取った雰囲気は皆無の店内。
台湾のセレブリティ白磁「八方新気」のような煌びやかさを想像していたわけではありませんが、焼き物市にでも紛れ込んだかのようなラフな陳列。価格もお手頃です。
ですが、ヨーロッパのポーセリンとは又異なる特有の艶感は、吸い込まれそうな魅力を放っています。
スタイリングするチルウイッチのアーカイブを拝見すると、オーナーデザイナーのサンディ・チルウイッチさんはオリエンタルな雰囲気をインスタレーションに多数取り込んでいます。これらの食器は、ブランド世界観をとても合いそうで、今回、ニューヨーク、パリに先駆けた発信をさせていただくお役目を申し付かり、とても楽しみでなりません!
この窯の食器、お料理映えもするので、次は本店訪問を!と、さっそく次のエアチケットの予約をし、密かにプランを立てています。
ひたすらラグジュアリーを追及させる夏のバカンスとはまた異なる隣国への旅、気軽で奥深い魅力に病みつきです!
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