Dance & Dancers/浦野芳子
『オールスター・バレエ・ガラ』での活躍が期待される、スヴェトラーナ・ザハーロワへインタビュー
©Damir Yusupov
バレリーナになるためにこの世に遣わされた人、そう評するのにぴったりの美しい容姿、長い手足、柔軟かつ可動域の高い身体......、有名なバレエ用品ブランドが、彼女の舞台写真を参考にバレリーナのイラストを描き起こした、なんて都市伝説(?)もある、スヴェトラーナ・ザハーロワ。今年は6月に、トランス=シベリア芸術祭in japan2016でワディム・レーピンとの『ザハーロワ&レーピン夢の共演』、7月には『オールスター・バレエ・ガラ』のために足繁く日本と行き来している。
まずは『ザハーロワ&レーピン夢の共演』について尋ねてみると、
「このプログラムは3年ほど前に創作しスイスのフェスティバルで初演、イタリア、ロシア国内の各都市で上演してきたものです。ワディムの指導の元、各地の若い演奏家に集まってもらい公演をしていますが、日本の演奏家の素晴らしい演奏には、私たちも触発されています」
とザハーロワ。そして実は、レーピン氏はザハーロワの夫でもある。
「バレエと音楽は非常に密接な関係にあり、音楽なしにはバレエは成立しません。ワディムは天才的な音楽家で、心から尊敬しています。彼の音楽を聴くと魂が揺さぶられるような感動を覚えることがあります」
↑ワディム・レーピン(左)とS.ザハーロワ ©Massimo Danza
音楽とバレエの出会い=ザハーロワとレーピンの結婚!!
よくできたストーリーだなあ、と感心しているとさらに、
「日本は、私の人生にとっても重要な場所のひとつです。私がバレエ学校を卒業してマリインスキー・バレエ団に入団した初めての海外公演の場所。そのころからのお客様でいまでもファンレターをくださる方もいます。その後新国立劇場バレエ団でゲスト・プリンシパルとして踊る機会をいただきましたから、私にとってのホームグラウンドみたいな場所でもあります」
肝心なのはここからです。
「ワディムに初めて会ったのも、私が新国立劇場に出演している時でした。それから、日本公演に来るたびに頻繁に会うようになりました。日本が私とワディムを結び付けてくれたのです」
↑ ワディム・レーピン photo by gela Megrelidze
その"縁のある"日本に今夏再来日の予定が、
『オールスター・バレエ・ガラ』だ。一番最初にこの公演のことを知った時、
私は椅子から飛びあがりそうになった。
......ニーナ・アナニアシヴィリ、アレッサンドラ・フェリ、
ウリヤーナ・ロバートキナ、そしてスヴェトラーナ・ザハーロワ!!
バレエ界の女王、女神さまたちが集合!!
芸術監督をアメリカン・バレエ・シアター常任振付家、
アレクセイ・ラトマンスキーが務め、他にも世界中の旬の才能たちを集めて、
お宝まとめて拝見、こんな機会はめったにない。
「普段、それぞれ違うバレエ団でプリンシパルとして踊るスターが一堂に会し、それぞれの得意なレパートリーを披露しあう、まさに競演です」
ザハーロワ自身は『海賊』『トリスタンとイゾルデ』(Aプロ)、
『ジゼル』『ディスタント・クライズ』(Bプロ)を
ボリショイ・バレエ団のミハイル・ロブ―ヒンと踊る。
「スタイルの異なる踊りを見ていただきたいと思っての選択です。『海賊』ではテクニックを、『ジゼル』ではリリカルな表現をお届けしたいですね。『トリスタンとイゾルデ』は前回の世界バレエ・フェスティバルで日本のお客様にも好評だったので、選びました。でもしばらく踊っていないので、現在稽古中です」
↑ザハーロワ&ロブ―ヒン『海賊』 ©Pierluigi Abbondanza
あなたも、フェリやアナニアシヴィリのように踊り続けるのですか、
と尋ねると
「明日のことさえわからないのに、10年先、20年先のことはわかりませんね」
スター、中でも現代バレエの伝説となること間違いなし、の
女王たちが一堂に会する、夢の共演。
7月23日から27日の4日間の奇跡の舞台、見逃すわけにはいかない!!
フィガロジャポンの公式インスタグラムにて、ザハーロワの動画コメントをアップしています!
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