立田敦子のカンヌ映画祭レポート2016 #05 ジョニデの娘、リリー=ローズがカンヌデビュー!
Culture 2016.05.15
カンヌ映画祭にはコンペ以外にもいくつかオフィシャル部門があります。
そのひとつが「ある視点」部門。去年、黒澤清監督×浅野忠信&深津絵里主演の『岸辺の旅』が上映され、見事監督賞を受賞した部門です。
コンペに続く、セカンドライン的な位置づけともいえるのですが、"ある視点"という部門名通り、ユニークな視点がある個性派の作品が集められる部門といわれています。私の個人的な見解では、"コンペに選ばれるほどの完成度はないけれど、作家性があり面白い作品"という感じがしています。これまでにもゴダールやソフィア・コッポラ、去年などはパルムドール受賞者であるアピチャポン・ウィーラセタクンなど、すでに有名な監督たちの作品も上映されています。それにしても、今年は18本中7本が監督デビューという新人監督の作品。新人発掘という側面もあり、とっても興味深いです。
『THE DANCER』もフランスの女性監督ステファニー・ディ・ジュースとの長編デビュー作。
モダンダンスの元祖といわれる、フランスで脚光を浴びた米国人の舞踏家ロイ・フラーの伝記映画で、タイトルロールをフランスのミュージシャン、Sokoが演じ、フラーと親密な関係にあったイサドラ・ダンカン役に、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘リリー=ローズ・デップ(クレジット表記では、メロディが省かれていました)が演じています。
『The Dancer』のワンシーンより。ロイ・フラー役のSoko(左)とイサドラ・ダンカン役のリリー=ローズ(右)。
すでにリリー=ローズは、スクリーンデビューを果たしていますが、カンヌ登場は初! 今年は母親のヴァネッサ・パラディが審査員メンバーとなって、親子の揃い踏みも話題になっています。で、先ほどさっそくインタビューしてきました!その内容は別の機会に書きますが、「私は16歳だけど自立しているので、自分の出演作は自分で選ぶわ」と両親のアドバイスを特に求めないことを強調していました。健気な感じで可愛いかったです。
フォトコールでは、シャネルの2016年春夏プレタポルテコレクションより、パープル、ブルー、レッドのコットンニットのアンサンブルでカジュアルな印象。(c)CHANEL
「美しすぎるティーンエイジャー」とも「奇跡の二世女優」ともいわれるリリー=ローズですが、写真で見るよりも実物はさらに美しく、大人になったらどんな美人になるのだろう、と今から妄想してしまいます。
プレミアでもシャネルの2016/17年秋冬プレタポルテコレクションより、刺繍が施されたシルクの黒いドレスを着用。トレンドのベアショルダーで瑞々しい素肌を露出。(c)CHANEL
イサドラ・ダンカン役なので、映画中も華麗なるダンスを披露しています。映画は日本公開も決定しているので、お楽しみに!
(c)CHANEL
映画ジャーナリスト 立田敦子
大学在学中に編集・ライターとして活動し、『フィガロジャポン』の他、『GQ JAPAN』『すばる』『キネマ旬報』など、さまざまなジャンルの媒体で活躍。セレブリティへのインタビュー取材も多く、その数は年間200人以上とか。カンヌ映画祭には毎年出席し、独自の視点でレポートを発信している。