900年の歴史を持つ京都「聖護院門跡」が、今秋特別公開!
Culture 2016.09.02
「聖護院八ツ橋」や「聖護院大根」など、京都でよく耳にする「聖護院」という名前。実は、聖護院という門跡寺院がある村で作られたことに由来するって知ってる? 聖護院はあまり知られていない寺院ながら、900年の歴史を持ち、代々、皇族か摂関家が門主(住職)を務め、宮廷文化が色濃く残る煌びやかな寺院。役行者を宗祖とする本山修験宗総本山でもある。この格式高い寺院が、今秋5年ぶりに特別公開。いちばんの見どころは、本殿であり、法親王のプライベート空間である宸殿を飾る、狩野派の絵師2名が手がけた金碧障壁画130面。花鳥や賢人、雄大な自然が描かれた黄金の襖絵に圧倒されるはず。ほかに、後水尾天皇が女院のために建てた華やかな書院や、本尊である不動明王像といった重要文化財も公開。奥深い京都の魅力に触れるまたとないチャンス。今年の秋の京都旅行には、ぜひ聖護院門跡をプランに組み込んで!
風格漂う表門。900年前に現在の場所に建てられ、4回の火災で市内を点々とし、いまの場所に戻ったのは約300年前のこと。「門跡」とは皇族や公家が住職を務める特定の寺院。
大玄関から見た宸殿。江戸中期を代表する絵師、狩野永納、益信による障壁画が圧巻。
法親王が面会の場に使った謁見の間。正面に床の間や違い棚を配した典型的な書院造り。
孔雀之間は、狩野永納の筆。古来、孔雀は害虫や毒虫を食べる喩えから、身の回りの災いを駆逐し、心の迷いを食べ尽くすと言われている。
書院は、延宝4年(1676)に聖護院が現在地へ移転した時、御所の建物が移築されたと伝えられる。恋文を表す折文の形を使った釘隠など、随所に女性らしい意匠が見られる。
聖護院の本尊である不動明王像は、平安時代後期の作で、重要文化財指定。不動明王は大日如来の化身とも言われ、悪魔や災害を除き、修行者を守る役割を担う。
聖護院門跡
京都市左京区聖護院中町15
公開期間:9/10〜12/18
拝観休止日:10/13〜16、11/5、11/28、11/29
拝観時間:9時30分〜16時(最終受付)
拝観料:大人¥800、中高校生¥500、小学生以下無料(保護者同伴)
Tel. 075-771-1880
www.shogoin.or.jp
texte : NATSUKO KONAGAYA