旅の果てに驚くべき逆転劇が待つ『手紙は憶えている』。

Culture 2016.11.07

『手紙は憶えている』

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90歳のゼヴは初期認知症を患い、最近の妻の逝去も忘れている。けれど、アウシュヴィッツの生き残りとして、70年前に家族を殺し、変名で身を隠したナチス戦犯を追う旅の執念だけが熾火(おきび)のように胸にくすぶる。力点は「復讐」ではなく、薄れゆく「記憶」のほう。一通の手紙だけが頼りの旅は徒労を重ねる。全身に疲れをにじませ、執念が妄執めいてくるゼヴを名優クリストファー・プラマーが体現。旅の果て、ミステリーの名手エゴヤンが光あふれる北国の空間に仕掛けるのは、稲妻が脳天を直撃するような逆転劇だ。

『手紙は憶えている』
監督/アトム・エゴヤン
2015年、カナダ・ドイツ映画 95分
配給/アスミック・エース
TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中。
http://remember.asmik-ace.co.jp/

*「フィガロジャポン」2016年12月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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