「ロエベクラフトプライズ 2017」の巡回展が日本へ！

Culture 2017.11.16

ロエベファンデーションは、現代に生きる職人たちの新規性、卓越性、芸術的価値を世に示し称えるため、国際的に展開され、1年ごとに受賞者が決まる「ロエベクラフトプライズ」を2016年に立ち上げた。この第1回となる「ロエベクラフトプライズ 2017」の受賞者を含むファイナリスト26名の作品の巡回展が、マドリード、ニューヨークと続いて、いよいよ11月17日（金）より、東京ミッドタウン内の「21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー３」にて、展示がスタートする。

「ロエベクラフトプライズ」は、現在の文化におけるクラフト（工芸）の重要性を認め、その才能、ビジョン、革新への意欲が未来の新しい基準を設定するであろう優れた現役のアルチザンたちを表彰することを目指し、ジョナサン・アンダーソンが、1846年にクラフトの協働工房としてスタートしたロエベの創業形態にインスパイアされて発案されたもの。

そして「工芸技法の斬新な適用と芸術性あふれるオリジナルコンセプトを組み合わせること」を唯一の応募資格として、18歳以上のプロのアルチザンから作品が募られた。今年2月、世界の第一線で活躍する建築家やデザイナー、アーティストなどからなる審査員団と専門委員会が、世界75カ国に住む、20歳代～80歳代までのあらゆるアルチザンからの4,000点近い応募作品の中から26名のファイナリストを選出。大賞を受賞したのは、ドイツ出身のエルンスト・ガンペール氏による「Tree of Life 2」。特別賞受賞者には、ガラスのアルチザン、神代良明（こうじろ・よしあき）氏の作品「Structural Blue」も選ばれた。「クラフトはロエベの真髄です。メゾンとして私たちは『クラフト』という言葉が持つ最も純粋な意味でモノづくりをしようとしています。そこにこそ私たちの考えるモダニティがあり、クラフトは常に私たちとつながっているのです」とジョナサン・アンダーソンは語っている。ロエベが認めた、アルチザンたちの想像力と手から生まれた至高の “モノ”たち、その素晴らしさをぜひじっくりと堪能してほしい。

ロエベ「インターナショナルクラフトプライズ」
期間：2017年11月17日（金）～11月30日（木）10:00～19:00
会場：21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3（東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウンミッドタウン・ガーデン内）
入場無料　会期中無休
www.2121designsight.jp/

大賞受賞者のエルンスト・ガンペール氏。受賞作品「Tree of Life 2」（2016年）とともに。この作品は、嵐によって根元から折れてしまった樹齢300年を超えるオークから切り出した木製のコンテナ。フィリグリー（金銀線細工）の平行溝を慎重に彫ることで、表面に対するアルチザンとしての技が実証される一方、粘土、土壌、石の粉末を処理したものと木材の自然のタンニン酸とが組み合わされることで、オブジェにふさわしいオーガニックな仕上げがもたらされている。この自然へのトリビュート作品は、倒れた木のストーリーを永遠のものにしている。