もう不安にならない! 脳の仕組みを知ろう。
Culture 2018.03.14
『敏感すぎるあなたへ 緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる』
● クラウス・ベルンハルト 著 平野卿子 訳 CCCメディアハウス刊 ¥1,728
日本でも苦しむ人が増えている、パニック発作。不安症を抱える人たちの多くは、突然襲ってくる強い不安感による動悸、ふるえ、息苦しさなどを感じる症状に長い期間とらわれて、つらい日々を送っています。安心してもとの生活に戻るためには、どんな治療法が一番効果的なのでしょう。
2016年にドイツで紹介された、従来の心理セラピーとはまったく異なる画期的な治療法が、熱い注目を浴びています。最新の脳科学に基づいた治療法を解説した『敏感すぎるあなたへ 緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる』は、自費出版後すぐに患者間の間で話題になり、たちまちベストセラーになりました。
この本では、まず不安やパニックは、私たちの脳の多くを占める無意識の部分が、今の環境を危険だと判断して発した「警告」だとしています。その警告をきちんと聞き入れてあげることができないと、生命を守るために、無意識は身体的な症状を伴う発作を起こします。自分を追い詰めていた不安の正体は、実は心の奥底からのSOSのサイン。
しかし、発作のつらい症状は、同時に脳に強いネガティブな思考のネットワークを作り出してしまいます。こうして、不安やパニックを繰り返すたびにネガティブな回路が強化され、ますます発作が起きやすいような悪循環に陥ってしまうのです。
不安を乗り越えるために必要なことは、自分自身の脳を理解してあげ、上手くコントロールすること。充実して生き生きとした生活を取り戻すことができるのは、やはり自分自身によってなのです。
『敏感すぎるあなたへ 緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる』
クラウス・ベルンハルト 著 平野卿子 訳
CCCメディアハウス刊
¥1,728
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texte : SATSUKI UCHIYAMA