拝啓 岡尾美代子様
Culture 2018.04.16
お元気ですか? 今日も元気に雑貨探しに勤しんでいますか?
本当は1週間前、伸びに伸びて……今日の午前中だった締め切り。
まだご連絡がなく、どきどきしております。
私がオカオさんの連載「雑貨Hej!Hej! Hej!(ザッカヘイヘイヘイ)」を前任から引き継ぐことになったのは2012年。かれこれ6年前のことです。オカオさんの著作が好きで、スタイリングされていたページも大がつくほど好き。でも連載担当になると知らされたとき、最初に頭に浮かんだのが、「そもそもHej Hejってなんだ?」でした。
そんな疑問とともにオカオさんとのやりとりが始まります。でも思い起こせば、オカオさんと連載をご一緒してたこの6年間はいつも頭の中が「?」、そしてときに「!」でいっぱいだった気がします。その雑貨ハンティング能力の高さときたら、東京タワーはおろか、エンパイアステートビルディングをも遥かに凌駕するほど。「こんなものをどこで?」「ほんとにスーパーマーケットで?」「これを一体何に使おうというのか?」「さすがにこれはヤバくないですか?」「いや、でも可愛いのかも…!?」といつも疑問と驚きで満たされている日々です。
数年前、うつわ探しのためソウルにご一緒したときのこと。少し遅れてソウル入りしたカメラマン濱田英明さんを空港まで迎えに行ったのですが、到着ロビーでオカオさんが突然消えました。焦りました、「一体どこへ?」と。すると何やらごにょごにょと、航空会社のカウンターで紙とペンをもらってきたではありませんか。何事かと思いしばらく見守っていたら、紙に大きく「Mr Hamada」と書き始めました。濱田さんとオカオさんは顔見知りなので、もちろん名前を掲げる必要はありません。でもその茶目っ気こそが、オカオさんいう人を形成しているのだなと魂を揺さぶられました。
2枚目の写真は先日撮影をご一緒したときに、ふと見たら、クロスを頭にかぶっていたオカオさん。そして暫く経って、またふとオカオさんを見ると、今度は“可愛くないのに可愛い”ネコのニット帽を被って遊んでいました。
「Mr Hamada」のサインを手に、ソウルの空港でカメラマン濱田さんを待ち構えるオカオさん。
クロスを頭にかぶっていたオカオさん。あまりに自然で、誰も突っ込むことができず。
そんなオカオさんのことが心底大好きです。
気持ち悪いだなんて言わないでください。
これに懲りず、これからも宜しくお願いいたします。
「雑貨Hej! Hej! Hej!」担当編集者より
PS:いろいろ思い起こしていたら、感極まってしまい、あろうことか一番大事なことを書くのを忘れてしまいました(本当です。狙っていたわけではありません…)。ごくごく私的なラブレターを読んでくださった皆さま、そんなチャーミングな岡尾美代子さんの連載「雑貨Hej! Hej! Hej!」がこの度、書籍化されました。是非、お手にとってください。オカオさんの雑貨ハンティング能力をその目で確かめてみてください。
この度めでたく書籍化された「雑貨Hej! Hej! Hej!」。まるで我が子のような気持ちです。『岡尾美代子の雑貨ヘイ!ヘイ!ヘイ!』岡尾美代子・著/撮影 CCCメディアハウス刊 ¥1,836 購入はこちらへ。