社会問題を提起するアート展「Defacement」が開催中。
Culture 2018.08.02
8月31日(金)まで、GINZA SIX 6階のアートギャラリー「THE CLUB」では、ニューヨークを拠点に活動する社会派女性キュレーターのアマンダ・シュミットをゲストキュレーターに招き、グループ展「Defacement」を開催中。
photo : JUN KOIKE
海外のコンテンポラリーアーティストを中心に、日本では取り扱いの少ない新進気鋭のアート作品を提供しているアートギャラリー、THE CLUB。本展のタイトルにもなった”Defacement”は、前衛集団シチュアシオニスト・インターナショナルの理念に基づくもの。資本主義経済による大量消費社会を問題視した彼らは、フランスを始めとしたヨーロッパ諸国において、芸術や文化、社会、政治への批判・実践を試みてきた。
今回は、そんな彼らの意思を引き継ぎ、あらゆるシーンにおいて大量生産と消費が繰り返される現代において、”破壊”が意味するところを問い、価値という概念について考えさせる作品群がラインアップ。シチュアシオニスト・インターナショナルのメンバーである画家のジャクリーン・デ・ヨングのほか、アンディ・ウォーホルやゲルハルト・リヒターなどを含む、現代アーティスト12名が参加している。
Gerhard Richter, 8. Juni 16 (2), 2016, oil on photograph, 16.8 × 12.5 cm (c) Gerhard Richter, Courtesy WAKO WORKS OF ART
photo : JUN KOIKE
日本ではまだまだ認知度の低い、社会問題に疑問符を投げかける表現としての現代アート。視覚的な刺激はもちろん、世界のアートシーンを牽引するアーティストらが発するメッセージを受け取りに、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。
Courtesy of Amanda Schmitt
アマンダ・シュミット
ニューヨークを拠点に活動するキュレーター。過去に40以上の展覧会を手掛けており、現在はアートフェア「Untitled」のディレクターも務めている。去年、映画監督ハーヴェイ・ワインスタインによる一連のセクシャルハラスメント問題の発端に始まった、ハリウッド業界を始め、各業界人による告発運動「#MeToo」。アマンダ自身も過去にアート雑誌「Artform」で働いていた時にセクシャルハラスメントの被害を受けたと声を挙げ、アート業界の問題を指摘し2017年の「TIMES Magazine」の「Person of the Year」のひとりに選ばれたことで、話題を集めている。
期間:開催中~2018年8月31日(金)
場所:THE CLUB
東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F 銀座 蔦屋書店内
営)11時~19時
休)8月27日(月)
<出展作家>
ゲルハルド・リヒター
アンディー・ウォーホル
べティー・トンプキンス
ジャクリーン・デ・ヨング
アール・エイチ・キートマン
ブルック・スー
ルーカス・エイジュミアン
ニコラス・グアニーニ
スーザン・ハウ
リチャード・オードリッチ
リー・レダレ
マリア・アイヒホルン