風邪をこじらせないために試したい、7つの対処法。

Culture 2018.12.07

症状がひどくなる前に風邪を治すには? フランスの自然療法士オリヴィエ・パニセが解説する(文中の薬局やオーガニックショップ、販売事例は、フランスのものを指しています)。

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風邪をこじらせないためには、初期症状が出た時にきちんと対処することが肝心だ。photo:iStock

少しずつ、でも確実に鼻が詰まってきている感じがする? ひっきりなしに出る咳や鼻をすする音に、同僚も苛立ち始めている? それは冬のお約束、すなわち風邪だ。通常、重症化することはないものの、それでも煩わしいことに変わりはない。風邪をこじらせないために、初期症状が出た時に採るべき7つの対処法を、自然療法士のオリヴィエ・パニセが提案する。

■食事量を減らす。

人間は身体に必要不可欠な栄養素を食物から摂取するが、食物の消化にはエネルギーを消費する。風邪の初期症状が現れたら風邪との闘いに精力を集中するために、消化に使うエネルギーを節約することが肝心だ。そのためには穀物(米、麦、ライ麦など)や動物性脂肪など、胃に負担のかかる食物は避けること。「自然界では、動物は病気になるとものを食べなくなります。それが自然な反応なのです」とパニセは解説する。

最もいい方法は、1日断食をすることだと言う。それが無理なら、24時間、フルーツと野菜以外のものを食べない単品ダイエットをパニセは勧める。「この場合、調理法はなんでも構いません。生、オーブンで焼く、コンポート、ピュレなどなど。ただし、味付けはしてはいけません。砂糖も脂質もダメです。消化に余分な労力をかけないようにするためです」。また、腸が弱っている時は、加熱して食べるようにしよう。

■肝臓を活性化させる。

肝臓は風邪を治すのに重要な働きをしている。「肝臓は身体の浄化装置です。細菌由来の毒素を解毒するのも肝臓の役目です」とパニセは説明する。したがって、風邪の症状が出たら肝臓の働きを活性化させることが大切だ。それには2つの方法がある。

肝臓の働きを助ける植物はいくつかあるが、ヌスビトハギとウコンもその例。これらを20日間服用する。オーガニックショップや薬局で入手可能だ。ヌスビトハギは液状エキスがアンプル剤として販売されている。ウコンには液状タイプや錠剤がある。「ウコンの根をそのまま食べる(おろす、ハーブティにして飲むなど)ことも可能ですが、クルクミン濃度は低くなります」

肝臓の部分に湯たんぽを当てるのも効果がある。「血管が膨張することで酸素の供給量が増加し、肝臓の機能を高めることになります」とパリセは説明する。

■熱い風呂に入る。

熱が出るのは、侵入した細菌に対する人体の防御反応だ。「風呂に入ったり熱いシャワーを浴びると体温が上がり、熱が出ているのと同じ効果が得られます」

■エッセンシャルオイルを使う。

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強い抗ウイルス・抗菌作用がある植物の精油も、快復にひと役買うphoto:iStock

ラヴィンサラやティーツリーから採取されたエッセンシャルオイルには、非常に強い抗ウイルス・抗菌作用がある。スプーン1杯の油か蜂蜜にエッセンシャルオイルを3滴垂らしたものを、朝、昼、晩に服用すると、体内の病原菌退治に効果がある。

さらにパニセによれば、「こうしたエッセンシャルオイルは、肌に塗布するのも効果的です。精油を10滴垂らした植物性油で胸部をマッサージします」。ただし、乳児には使えないので気をつけよう。また、使用前には肘の内側に塗って24時間待ち、アレルギー反応が出ないか確かめたほうがいい。心配な場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談すること。

■植物エキスを使う。

「グレープフルーツ種子抽出物は病原体(疾病を引き起こす因子)、特に、風邪の原因となる病原体に対して非常に有効です」。オーガニックショップや薬局で手に入る。パニセは30滴のグレープフルーツシードエキスを、朝、昼、晩、服用することを勧めている。しかし、抗生物質との同時服用は避けたほうがいい。エッセンシャルオイルと同じように、心配なときは、医療専門家に相談しよう。

身体の防御システムを活性化するのに有効なのはエキナセア。液状エキスがオーガニックショップで販売されている。風邪の症状が出始めたら、10~20滴(製剤の濃縮度による)のエキナセアエキスを1日3回、15日間服用するといい。パニセによると、「それ以上服用すると、効き目がなくなります。」

■ビタミンCを摂る。

病原菌と闘うための理想的な栄養素であるビタミンC。果物や野菜をはじめ、多くの食物に含まれている。「アセロラ、キウイ、それからパセリも、ビタミンC含有量がとても高い食品です」

■治すよりも予防する。

病気にかからないためには、普段のちょっとした心がけが大切だ。まず大事なのは、免疫系を休ませるために、睡眠を十分に取ること。それから、風邪を引かないようにするためには、ビタミンCの豊富なバランスのいい食事、それに十分な水分摂取も欠かせない。

また、「ウイルスが停滞しないように、冬でも室内の換気を怠らないようにしましょう。ウイルスが繁殖しやすいのは湿度の高い、暖かい場所ですから」。

感染を防ぐために、定期的に手を洗うことも忘れてはならない。風邪の予防には、こうした毎日の習慣の他にプロバイオティクス療法も効果がある。3カ月、プロバイオティクス(薬局で販売されている)を服用すると、腸内フローラが改善され、身体の防御機能が向上する。パニセが言うように、「免疫系の80パーセントが腸内に存在している」ことを覚えておこう。

オリヴィエ・パニセ:パリを拠点とする自然療法士。同氏のサイトは、www.olivierpanisset.fr

texte:Cécile Bertrand (madame.lefigaro.fr)

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