ストレスがじわじわと身体に及ぼす影響とは?

Culture 2019.06.14

怒りは、抑圧された感情を表現するには役に立つ。しかし、それがあまりにも頻繁で強すぎたり、明白な理由もなく表れたりすると、私たちの身体を傷付ける。ふたりの専門家による話を紹介しよう。

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もし頻繁にイライラしたり、つまらなく感じたりしていると、その怒りの感情は健康に影響を与えうる。Photo: iStock

駐車スペースが空いていなかったり、パートナーと意見が合わなかったり……そんな状況になるだけで、すでに感情が赤信号になってしまう人も少なくない。そうした日常的な出来事についイライラしてしまう。

怒りとは、私たちがストレスを感じたり、自分の信念や価値が脅かされたり、または不公平感を感じたりしたときに生まれる感情だ。また、なかには理由も目的もなく、しょっちゅう激しい怒りを覚えてしまう人もいる。脳の中の感情調節を担う領域である前頭前皮質の欠陥により、怒りを抑えることができなくなる。

この場合、怒りの感情は身体に害を及ぼす。EMリヨン経営学大学院の教授であり、社会心理学の研究者であるクリストフ・ハーグ氏は次のように述べる。「身体を急激、かつ過度に働かせることによって、身体と脳は非常に多くのエネルギーを消費します」

ハーグ氏によると、怒りを制御することも緊急になるという。「怒りの感情とは、日々溜まりに溜まったネガティブな感情から派生するものであり、人間の身体にも非常に危険だといえるでしょう」。詳細を説明しよう。

健康への悪影響

「怒りの感情が頻繁に、危険なほど理不尽に沸き起こるようになると、ヘルニアやじんましん、乾癬、喘息、また腰痛などを発症する可能性があります」とハーグ氏は説明する。そして最終的に、そのほかのもっと深刻な症状となって身体に現れる可能性がある。「心血管疾患や心臓病や脳卒中などに発展する可能性が高いのです」と心理学者のディディエ・プルー氏は述べる。また、慢性的に怒りっぽい人は潰瘍になりやすい。

内向的な性格

“怒りによって、不安や恐怖症、または強迫行動が引き起こされる可能性があります”
− クリストフ・ハーグ氏

あまりにも頻繁に怒りを感じると、感情のバランスと精神に影響を与える。その理由は簡単だ。「怒りとストレスが身体に引き起こすことは似ています。怒りによって、不安や恐怖症、または強迫行動が引き起こされる可能性があります」とハーグ氏は説明する。また、怒りは内向的な性格やうつ病さえも引き起こす。もし頻繁に他人に怒ってしまう場合、その怒りを自分自身にも向け、自尊心を失ってしまう。「自分自身に常に怒りを覚えてしまう人は、自分を憎み、非難してしまいます」とプルー氏は述べる。

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怒りを鎮める方法の模索

社会心理学者のハーグ氏によると、「怒りやすい人は、心の知能指数の高い人に比べて、感情を安定させる能力が低い。そういった人がコーチや心理療法士などの専門家からのサポートを受けていない場合、自分を落ち着かせるために過度な行動に向かう可能性があります。具体例としては、たばこやアルコールの過剰摂取、そして稀ですがスポーツに取り組む場合もあります」とハーグ氏は言う。

他者との関係に悪影響を及ぼす

友人、配偶者、上司などとのコミュニケーションとは日常的なものであり、怒っているとうまくいかないものである。怒ってばかりいる人は人間関係を悪化させ、社会の輪を乱す。「怒って話すのは、感情的に未熟な証です。幼児は十分なボキャブラリーを持っていないため、何かを求める時に怒りを表現の手段として使いますが、大人であれば、十分なボキャブラリーを持っているはずです」とプルー氏は言う。

ハーグ氏がほかの研究者とともに開発した無料スマートフォンアプリ「Dr. Mood」(アンドロイドとIOS対応/フランス語・英語のみ)は、感情を識別するのに役立つ。怒りやそのほかのネガティブな感情が起こらないよう、オフィスや自宅で実践できるエクササイズを提供する。ハーグ氏は以下のように使用例を挙げた。

「静かな場所で、生物ではない物に対して怒りを訴えましょう、なお、興奮を避けるために静かに話してください」

怒りの解決策

まずは、怒りを認識しながらその感情を受け入れることから始めよう。怒りをマネージメントする効果的な方法として、自分の気持ちを紙などに書き出し、いったんその場を離れて少し時間を置いてからその場に戻ってみるのもよい。深呼吸は心を穏やかにし、強い感情を落ち着けてくれる。

「自然に触れることもまた、とても短時間で怒りを落ち着けるよい方法といえるでしょう」とハーグ氏は述べる。ちなみに怒りが爆発してしまったとしても人間関係を維持することは可能だ。「そういう時は、怒りをぶつけてしまった相手に、謝罪の気持ちを言葉にして伝えることが重要なのです」とハーグ氏は結論づける。それ以上相手を怒らせないことが重要だ。

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texte : Mélodie Castan (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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