スティーブン・キング原作の『シャイニング』が舞台化へ。
Culture 2020.02.29
スティーブン・キングによるホラー小説『シャイニング』が、舞台化されることが明らかになった。
制作指揮を任されたのは、ベルギー出身の著名な芸術監督であるイヴォ・ヴァン・ホーヴェ。
ホーヴェは、2014年にパリ・オデオン座で上演したアーサー・ミラー作『橋からの眺め』で、ローレンス・オリヴィエ賞・最優秀演出賞を受賞。続いて16年に演出を手掛けた、同ミラー作『るつぼ』では、トニー賞再演演劇作品賞を受賞するなど、話題作を次々と送り出したヒットメーカーとして知られている。
ロンドンで上演される予定の舞台版『シャイニング』は、スタンリー・キューブリック監督が手がけた、かの有名な映画版ではなく、キングの原作小説に基づいた内容になるという。
1980年制作のキューブリック版『シャイニング』は、コロラド・ロッキーの山腹にそびえるオーバールックホテルを舞台に、冬季のホテル閉鎖中、管理人として雇われた小説家志望でアルコール依存症のジャック・トランスが、ホテルに巣食う悪霊に徐々に取り込まれる様子を中心に描いている。
キューブリックらしい映像美と狂気に満ちた世界観で、一躍ホラー映画の代名詞となった作品だが、あまりに原作とかけ離れたキューブリックの改変をキングは不服とし、自ら指揮をとって、原作に忠実なテレビドラマ『スティーブン・キング シャイニング』(1997年)を作り直している。
原作版はジャックの息子ダニーのもつ超能力(作品中で‟シャイニング”と呼ばれる能力)に焦点をあてた内容になっているが、舞台版はこちらの話がベースとなる。
プロデューサーのソニア・フリードマンとコリン・カレンダーは、英国を代表する劇作家のサイモン・スティーヴンズと契約。
ホーヴェとスティーブンズは、原作の小説はキューブリック版より、悪霊が多く登場することを指摘しており、舞台版はさらに恐怖がちりばめられた演出になることが予想されている。
気になるキャストはいまのところ未定だが、キャスティングの発表と同時に、劇場と日程が公開される予定だ。
photo: Collection Christophel/AFLO, texte: ERI ARIMOTO