ソフィア・コッポラ監督、父娘の旅を描くコメディ。

Culture 2020.12.10

タッチは軽くて趣が深い、都会派コメディの酔い心地。

『オン・ザ・ロック』

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ローラは育児に追われ、公私の自信を失いがち。ある日、出張続きの夫の旅行鞄に女物のポーチを発見し、父を指南役に夫を尾行し始める。粋な遊び人風老紳士の父親をビル・マーレイが飄々と好演。日常の綻びが呼ぶ父娘の旅は、典雅な夜のニューヨークから開放的なメキシコへと転調する。軽妙なセリフの応酬から、父の色恋のうんちくに振り回される娘の憤懣(ふんまん)、父娘の積年のきしみが、夫婦関係を差しおいて噴き出す微苦笑。素人探偵のエスコートが身勝手な父なりの娘への愛情表現だと、ソフィア・コッポラは優美に伝えてくれる。

『オン・ザ・ロック』
監督・脚本/ソフィア・コッポラ
2020年、アメリカ映画 97分
配給/東北新社、スターチャンネル ムービーズ
新宿武蔵野館ほか全国にて公開中
http://ontherocks-movie.com

Apple TVでも公開中。

*「フィガロジャポン」2020年12月号より抜粋

●新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。

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