蒼井優・高橋一生が歴史の闇を体現する『スパイの妻』。
Culture 2020.10.16
愛と疑心、正義と不幸せが、闇に揺れて歴史を射ぬく。
『スパイの妻』
太平洋戦争も間近の1940年、国際都市の神戸が舞台。気鋭の濱口竜介が脚本に注力した歴史サスペンスだ。若社長の優作(高橋一生)は満州遊行中に偶然、関東軍のゆゆしい極秘ノートを入手し、これを世に問う策を練る。夫のスパイ嫌疑を恐れる妻(蒼井優)は、幼なじみの憲兵に向け、度を失った愚妻を装って大勝負を打つ。三角関係、四角関係が錯綜し、洋館内部や映画街のセット美術を生かした、黒沢清一流のサスペンス演出の切れ! 30年代モダニズムの流れを汲む映画熱に優作が憑かれているという設定も巧く、映画を愛する者らの技と胆力が歴史の闇に炸裂する。
『スパイの妻』
監督・共同脚本/黒沢清
2020年、日本映画 115分
配給/ビターズ・エンド
10月16日より、新宿ピカデリーほか全国にて公開
https://wos.bitters.co.jp
※新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。
監督・共同脚本/黒沢清
2020年、日本映画 115分
配給/ビターズ・エンド
10月16日より、新宿ピカデリーほか全国にて公開
https://wos.bitters.co.jp
※新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。
*「フィガロジャポン」2020年11月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO