生き方を見つめ直したい時に、読みたい本、観たい映画。#02 犬山紙子に聞く、人間関係のストレスを解消する方法。

Culture 2020.12.29

身近な家族とうまくコミュニケーションがとれない、プライベートや仕事先での人間関係のストレスを抱えているという人へ。エッセイストの犬山紙子さんに、どのように対処すればいいのかをインタビュー。経験談とともに、人とのいい距離感を築くためのヒントを与えてくれる本を紹介してもらいました。

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チームであることをお互いに認識し合う、ということ。

コロナ禍で家族と過ごす時間が増えたことで、これまでは気にならなかったことが視界に入ってきてイライラが募ってしまう。そんな声を聞くことも多くなってきたが、犬山さんは現在のような状況になる前から、自覚していた怒りっぽい性格を改善するためのカウンセリングに通っていた経験があるという。

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「結婚して3、4年目の頃、すぐに怒ってイライラしてしまう自分をどうにかしたいと思ったんです。このままでは夫にとってもストレスだし、小さな娘にこんな姿を見せるのもよくないだろう、と。カウンセリングを通じて私の怒りっぽさは甘えたい気持ちから出てくるものだということが見えてきた。対処法を知るめにも、私にとっては意味のある体験でした」

とはいえ、「日本ではカウンセリングって、ハードルが高い印象がありますよね」と犬山さん。同じように人間関係に悩んでいた友人から相談されたことをきっかけに、プロの見地からのアドバイスや情報をまとめた本を探していて見つけたのが『身近にいる「やっかいな人」から身を守る方法』。FBIの人質解放交渉のトレーナーも務める精神科医が人間関係を楽にする極意を教えてくれる一冊だ。「自分の経験だけでアドバイスをするのはすごく怖いことなので、エビデンスのある話が書かれた本が必要だと思ったんです。この本を読むと、自分と相手がやっかいな状態になっているのか理性的に振る舞えているのか、それがまず理解できる。もしも相手が理不尽に怒りを爆発させるなど話が通じない状態になっている場合の対処法も、かなり具体的に書いてあります」

この本をきっかけに犬山さん自身も実践しているのが、寝る前にその日の自分の言動や気持ちの動きを振り返ってみる習慣だという。「プライベートでも仕事先でも、どんな関係性であれイライラが募ってしまうのは閉塞感や不安を共有できていないからだと思うんです。たとえば夫に対して、こんなに仕事量が不平等なのになぜ大変さを全然わかってくれないんだと不満がわいた時に、相手を敵視してしまうとどんどん心が離れてしまいますよね。必要なのは、チームであることをお互いに認識し合うこと。私は寝る前に一日を振り返って、自分が理性的にできたところや頑張ったところ、イライラして大きな声を出してしまったことまで夫と話し合って、コミュニケーションをとるようにしています。“今日はこんな家事ができたよ”“いいね、いいね!”という感じで褒め合ったり反省し合ったりすることで、お互い味方であることがより実感できるようになってきました」

そしてもう一冊、理想の人間関係が描かれているものとしてあげてくれたのが『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』。独身の芸人であるふたりの同居生活やご近所付き合いのあれこれが、肩の力の抜けたタッチでつづられている。「以前だったら40代の独身女性ふたりが毎日の暮らしについて書く時、自虐が入ってきていたと思うんですね。でも阿佐ヶ谷姉妹にはそれがなくて、私自身も自虐をやめたいと思っていた時期だったので、感覚的にとてもフィットしました。普段は塩対応な美穂さんが、エッセイが書けずに行き詰まっている江里子さんのために好みに合わせたカレーを作ってあげるエピソードが大好き。ひとりの時間がほしい時にはひと駅先から歩いたり、人間関係のバランスを上手にとりたい人にとっても参考になるエッセイですよ」

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お互いがやっかいな人なのか、あるいは味方か。

身近にいる「やっかいな人」から身を守る方法

著者はIBMやゴールドマンサックスなどの企業のコンサルタント、ビジネスコーチ、FBIの人質解放交渉のトレーナーなどを務め、精神科医としても長いキャリアを持つマーク・ゴールストン。「理不尽な人と向き合うための具体的な対処法がたくさんあげられているので、自分に合った方法を探ってみるのもおすすめ」

マーク・ゴールストン著 レッカー由佳子監修 室﨑育美訳 あさ出版刊 ¥1,650

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家族や友人にも応用できる関係性の教科書。

阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし

6畳一間での同居から、同じアパートの隣人になったお笑いコンビ、阿佐ヶ谷姉妹の往復エッセイ。いい距離感と温度感を保っているふたりの話は、「家族や友人にも応用できる人間関係の教科書であり、誰かと一緒に日々のなんてことのない出来事のなかに楽しさや幸せを見出す方法を教えてくれる“愛おしさ帳”でもある」

阿佐ヶ谷姉妹著 幻冬舎刊 ¥1,320

犬山紙子 KAMIKO INUYAMA

1981年、大阪府生まれ。2011年に「負け美女 ルックスが仇になる」(マガジンハウス)でデビュー。日本テレビの「スッキリ」などコメンテーターとしても活躍している。おもな著書に「アドバイスかと思ったら呪いだった。」(ポプラ文庫)「すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある」(扶桑社新書)など。madameFIGARO.jpでは「犬山紙子がいま思うこと」を連載中。

生き方を見つめ直したい時に読みたい本、観たい映画。

Interview et texte:MIKA HOSOYA

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