集中力アップに効果! 金メダリストは編み物に夢中。

Culture 2021.08.04

文/坂本みゆき(在イギリスライター)

去る7月26日の東京五輪・水泳の男子シンクロナイズドダイビング10m高飛び込みで、マティ・リー選手とのコンビで優勝したトム・デイリー選手。

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写真手前がトム・デイリー選手。(東京、2021年7月26日)photo: Getty Images

彼は14歳で2008年の北京オリンピックに初出場以降、イギリスの国民的アイドルともいえる人気アスリートだ。今回、彼にとって4度目となるオリンピックで悲願の金メダルを獲得した時にはイギリス中が興奮のるつぼと化した。さらにはその翌日に、デイリー選手がイギリスと日本の国旗を両面にあしらった手編みの金メダル用ポーチをお披露目して大きな話題に。彼は飛び込みだけではなく、編み物の名手でもあるのだ。


このポーチを紹介する映像がアップされたのは「メイド・ウィズ・ラブ・バイ・トム・デイリー」というデイリー選手の編み物専用のインスタグラムのアカウント。2021年8月4日現在、87万人以上のフォロワーを誇っている。

2020年のロックダウンの最中は、多くの人が家で過ごす時間を新たなスキルを得ることに利用していたが、彼も例外ではなかった。まずは棒編みを覚え、さらにはカギ編みもマスターして昨年9月にこのインスタグラムをスタート。編み物はリラックスしながらも気持ちを集中する術が学べ、ダイビングにも大いに役立っているという。

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今回、東京に向かう際もスーツケースの中には、たくさんの毛糸と編み棒や編み針が収められていたとか。五輪の試合前でも冷静でいられたのは編み物のおかげだと語っている。さらには8月1日には女子シンクロナイズドダイビング決勝の際にも、観客席で編み棒を熱心に動かす彼の姿が。その情景が試合中継の合間に放映されるやいなや、SNSには「何を作っているの?」というコメントであふれ、翌日には手がけていたのは犬用のセーターだったらしいとニュースになるほどに。現在は、オリンピックのシンボルの五輪やユニオンジャックを編み込んだカーディガンを製作している様子が伝えられている。


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プライベートでは映画『ミルク』でアカデミー賞を受賞している脚本家ダスティン・ランス・ブラック氏と同性婚をしており、3歳になる息子のロビーちゃんがいる。ロビーちゃんはブラック氏のことを「ダディ」、デイリー選手のことを「パパ」と呼んでいるとか。

LGBTQコミュニティのロールモデルともされている彼は、優勝時のインタビューで「ゲイであること、オリンピックの金メダリストになったことをこの上なく誇りに思う」とコメント。また「いまは孤独を感じていても、あなたはひとりではないし、どんなことでも達成できる。そして家族同様にあなたをサポートしてくれる人は必ずいる」とのメッセージも送っていた。

デイリー選手の次の五輪での活躍がみられるのは8月6日から。ソロでの高飛び込みに臨む。編み物で鍛錬された精神力をもって、再び華麗なる技を見せてくれるはず。注目したい。

坂本みゆき MIYUKI SAKAMOTO

東京生まれ。95年に渡英後、ブライトン大学院にてファッション史を学びながらファッション業界紙やファッション誌への寄稿を始める。現在は男性誌、女性誌、専門誌など多方面に渡ってイギリスに関する記事を執筆。好きな分野は英国文化と生活、アート、音楽、食べ物&飲み物。サセックス州在住。ティーンエイジャーの母。madame FIGARO.jpで「England's Dreaming」を連載中。

 

text: Miyuki Sakamoto 

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