小津作品を愛するデンマークの新鋭が描く家族の物語。
Culture 2021.02.07
ミニマルな世界に広がる、ままならない生の哀歓。
『わたしの叔父さん』
14歳で親兄弟を失った娘クリスは、27歳のいまも叔父さんとふたり暮らし。足腰の弱い彼に毎朝ズボンを穿かせ、好物「ヌテラ」を塗ったトーストを供する。牛舎での餌やり、搾乳。母牛の難産を助けるのも大黒柱クリスの役目だ。同じ酪農家の好青年に岬のホテルへ食事に誘われても、叔父さんが同伴。その気まずさが微苦笑を誘う。やっとクリスが自分の時間を大切にし始め、束縛の元凶の叔父さんが少し身を引くあたり、名作『晩春』を連想させる。小津安二郎を敬愛するデンマークの新鋭の、細部に心血を注いだ演出が鳥肌もの。
『わたしの叔父さん』
監督・脚本/フラレ・ピーダセン
2019年、デンマーク映画 110分
配給/マジックアワー
1月29日より、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開
www.magichour.co.jp/ojisan
※新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。
監督・脚本/フラレ・ピーダセン
2019年、デンマーク映画 110分
配給/マジックアワー
1月29日より、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開
www.magichour.co.jp/ojisan
※新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。
*「フィガロジャポン」2021年3月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO
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