心身のバランスを整えるための6つの方法。
Culture 2021.04.06
心身のバランスを整えるための6つの方法。iStock
エネルギーを培い、メンタル面を強化し、美肌のもとになるのは心身のバランス。でもバランスは崩れやすいもの。マッサージ、バーエクササイズ、エステ、自己催眠…。心身のバランス調整に効果的な6つの方法をおさらいしてみよう。
ホルモンを鎮める
バランスの話をするには、健康のメッセンジャーであるホルモンの話題を避けては通れない。「ホルモンは身体機能全般に影響を与えます。感情、消化、皮膚…。つまり毎日を快適に過ごすための最も重要なポイントです」と微量栄養学者のヴァレリ・エピナスは著書『女性のためのバランスの秘訣』(1)の序文に記している。
ホルモンの状態が乱れていると、何もかも上手くいかない。そのことは誰もが経験から知っている。エピナスはこの本の中で、バランスに関して私たちが抱くあらゆる疑問に明確で忌憚のない回答を与え、実践的なアドバイスを提供している。
もしバランスを整えるためにひとつだけサプリメントを摂るとしたら、どんな不調を抱えているか(更年期、月経前症候群、肌疲れ…)に関係なく、マツヨイグサオイルを摂るべし。500mgカプセルを朝晩1錠ずつ。オーガニック製品がベスト。
---fadeinpager---
ブレスワークで解放する
誰でもすぐできる腹式呼吸。1日に数回行えば自分自身とのつながりを取り戻し、心身をリラックスさせてくれる。腹式呼吸を活用した健康法は数多くあるが、人気の「ブレスワーク」もそのひとつ。ストレスと感情を解放するための呼吸法で、フランスに紹介したのはアメリカ人のスーザン・ウバリだ。
ニューエイジ運動の最中に考案され、1970年代に精神科医のスタニスラフ・グロフによって開発されたメソッドであるブレスワークは、より深い体験を目指す人におすすめだ。
ブレスワークとは、口呼吸を繰り返して過呼吸の状態を作り出し、意識を変容させることを目的としたメソッドだ。「セッションは強烈な体験となるので、妊婦や、心臓や脊椎、消化器官に問題のある人には勧めません」とスーザン・ウバリ。
最初の30分間のセッションで、人によってはかなり激しい解放感が得られる。しかし一方で混乱や不安といった感覚に襲われることもある。不快な状況に耐えてはじめて、自己肯定感を取り戻すことができるのだ。そんなわけで専門トレーナーの指導の下で行うのが望ましい。
---fadeinpager---
バーエクササイズ
姿勢をよくし、身体のバランスを保つには、体幹が重要だ。体幹を鍛えるのに最も効果のあるトレーニングとはずばり、ダンサーが行っているトレー二ング。
おなじみのバレエバーはもちろん、バレエバーとカーディオ・エクササイズを組み合わせ、エネルギッシュな音楽に合わせてトレーニングを行う最近話題のカーディオ・バーも効果抜群。徐々に手足がまっすぐ伸びて、きれいにポーズができるようになってくる。腹部や腿、腕の筋肉も鍛えられる。
さらにダンスには神経細胞の結合を促進する効果もあり、ストレスの軽減にも有効だ。『遺伝子の運命は自分で選びなさい』(2)の著者、ジルベール・ドゥレによると、ダンスは「心身のバランスを整えるのに欠かせない調和」を取り戻すのに役立つという。
---fadeinpager---
皮膚の常在菌をケアする
人間の身体の50%は細菌でできている。読み間違えではありません! 微生物叢と呼ばれる細菌叢は、腸だけでなく肺や肌にも存在する。2センチ四方の皮膚に200万もの細菌が生息するというから、軽んじてはいけない。
「過剰な洗顔や化粧品の濫用、化学物質による影響で、皮膚の常在菌はダメージを受けています。新しいケアの発想が急務の課題」と強調するのは、プロバイオティック化粧品メーカー「ガリネ」創業者で薬学博士のマリー・ドラゴだ。
健全な微生物叢こそ、美しい肌作りの鍵となる。皮膚の常在菌には、pHや免疫系を調整し、炎症を抑制し、肌のバリア機能を強化する作用がある。私たちのために奮闘しているこの小さな世界をケアするために、化粧品メーカー各社はプロバイオティクスや、さらに一歩進んで、有益な細菌の栄養源となるプレバイオティクスを活用した新商品の開発に取り組んでいる。
---fadeinpager---
自己催眠で睡眠改善
バランスには質のいい睡眠が不可欠だ。ただし神経を過剰に興奮させる生活スタイルと手を切るのは必ずしも簡単ではない。
『フランソワ・ルスタンの催眠とは?』『疲労』の著者で催眠術師のレオナール・アントニー(3)は、自己催眠を試してみることを勧めている。「まずは、通常言われていることとは逆ですが、眠れなくても横になっていましょう」。これは覚醒と睡眠の中間の状態、つまりアルファ波が出ている状態を作り出すためだ。夜になると同じことをくよくよ考えてしまったり、考え事のせいで夜中に目が覚めてしまう人も、これで不眠解消につながる。
「頭に浮かんでいる思考を目の前に視覚化しながら繰り返し再生します。車輪を回すハムスターのイメージです。何度か繰り返したら、車輪のことは忘れ、枕の上で頭を反対側に回します」とアントニーは説明する。この時に自分の周りにあるもの、枕の柔らかさや、肌に触れるシーツの感触、毛布の重さなどに意識を向けるようする。
自分の感覚に深く埋没したら、そこを出て、次に自分にとって心地よい場所へ向かう。自分の好きな公園や海岸にいるところを想像する…。
考え事がまた戻ってきたら? 「闘おうとしてはいけません。逆に、そうした思考に向かって、いまは無理だけど明日になったら相手をしてあげるから、と声を掛けましょう」とアントニーは続ける。翌日、自分自身と出会うための時間を取ろう。日中、一息入れた後に向き合えば、多くの問題はもう問題ではなくなっている。
---fadeinpager---
フェイシャリストにケアしてもらう
アリーヌ・フォシュール、ヴィニダ・サヴァン、デルフィーヌ・ラングロワ、ソフィ・カルボナリ、マリー・ドゥプーラン。彼女たちこそアンチエイジングの最新スター、フェイスケア専門の「スーパーエステティシャン」だ。
彼女たちの武器は、血行を促進し、体内に酸素を送り込み、コラーゲン生成を強化するマッサージ技術。指で粘土のように顔を揉まれるうちに、フェイスラインもリフトアップ。顔のバランスも調整される。
「表皮から内側の筋肉までマッサージします。顔には約50の筋肉があります。こりのあるところはほぐし、緩んでいるところは引き締めます。筋肉の緊張が徐々にほぐれていくと、肌にハリが戻るのが実感できます」と、KOBIDOマッサージをフランスに初めて紹介したアリーヌ・フォシュールは説明する。
1回の施術でも効き目が感じられるが、ジムと同じで定期的に行うことでより高い効果が期待できる。
(1)Valérie Espinasse著「Les Secrets de l’équilibre féminin」Éditions Leduc.s出版刊
(2)Gilbert Deray著「Choisissez votre destin génétique」Éditions Fayard出版刊
(3)Léonard Anthony著「Qu’est-ce que l’hypnose de François Roustang?」「Fatigue」Édition Flammarion-Versilio出版刊
texte : Claire Dhouailly (madame.lefigaro.fr)