ジョン・トラボルタ、ダイアナ妃との歴史的ダンスシーンを述懐。
Culture 2021.04.22
現在67歳の俳優ジョン・トラボルタが、歴史的に有名な故ダイアナ妃とのダンスシーンについて振り返り、当時の心境について打ち明けた。
「Esquire Mexico」のインタビューでトラボルタが語ったところによると、1985年に当時の米大統領ドナルド・レーガンと夫人が主催したホワイトハウスのガラパーティに出席した際のこと。『サタデー・ナイト・フィーバー』『グリース』のヒットで人気スターの仲間入りを果たしたトラボルタに対し、大統領はダイアナ妃と踊るようリクエストをしたという。
「まさか彼女と踊ってくれと言われるなんて、思ってもいなかったよ。でも光栄にも一緒に踊らせていただいたので、『何か理由があるはずだから、全力を尽くそう』と思ったんだ。『ダンスをうまくリードして、自分たちが楽しめるようにしよう』ってね」
「楽しむこと自体は簡単だったけど、ダイアナに礼儀正しく挨拶をして、自信をもってダンスに誘うというのは、実に複雑で込み入った行為だった」
トラボルタはさらに、そのダンスシーンのことを「おとぎ話」だと表現する。
「そのときの舞台を考えてみて欲しい。僕たちはホワイトハウスにいて、真夜中の出来事だった。まるで夢のようなステージだったよ。僕は彼女に近づいて、腕に触れ、ダンスに誘ったんだ」
「彼女はくるりと回って、魅惑的だけどほんの少しどこか寂し気な笑みを見せ、僕の誘いに応じてくれた。そして僕たちは、まるでおとぎ話のように一緒に踊ったんだ」
「そんなことが起こり得るなんて、誰が想像できた? とても特別で、魔法のような瞬間として記憶に刻むにとどめたんだ。それくらい僕にも分別はあるよ」
そういって、それ以上のロマンスには発展しなかったことを釘差すトラボルタ。改めて例のダンスシーンの写真を見てみれば、トラボルタの余裕の笑顔の中にもほんの少し緊張を感じられなくもない。
また、こんな後日談もある。ダイアナ妃がこのときに一緒に踊りたかったのは、妃にとって憧れの存在であるバレエダンサーのミハイル・バリシニコフであり、トラボルタとはセッティングされたから仕方なく……と、ダイアナ妃の執事ポール・バレル氏は“おとぎ話”の真相を明かしている。トラボルタが誘ったときに、微妙な表情を浮かべたのは、複雑な女心ゆえか。
photo:ZUMA Press/AFLO, texte:ERIKO KIRYUIN