あぐらを組まなくてOK! 超簡単な3つの瞑想方法。
Culture 2021.05.06
瞑想に挑戦したくても、シンギングボウルを用意して、あぐらで座ることを思い浮かべ、実行に移す気をなくしてはいないだろうか? 実は瞑想を始めるにあたり、準備すべきアイテムも、取るべき姿勢もない。瞑想の専門医がその方法を伝授する。
座らずに10分間瞑想する3つの方法。 photo : Getty Images
瞑想なんてできない、などと思っていないだろうか? 瞑想に費やす時間がなく、「何もせずに」座り続けることができない...そう思うのは無理もないのだが、誤解しないでほしい。瞑想を専門とする医師のマリーヌ・コロンベル(1)によると、瞑想状態に入り、自分の感情をよりよく理解し、そのはけ口を与えることができる方法はいくつか存在する。
瞑想はテクニックというよりかは、心の持ち方のようなもの。「いまこの瞬間に集中し、自分の感覚、知覚、呼吸に意識を向けさえすれば、何をするかということは問題ではありません」とコロンベルは語る。
立ったままの瞑想
両足でしっかりと立ち、背筋をまっすぐに伸ばして、肩の力を抜く。これは、気功と太極拳を起源とする中国の伝統的な瞑想法で、時に不快にもなる座る姿勢の瞑想に取って代わる理想的な方法だ。
その利点はいろいろある。座って瞑想する時と同じくらいの効果があるのはもちろん、立って行うことでより多くの筋肉を動かすことができる。「立ったままの瞑想は、精神面にも筋肉面にも効果があります。筋肉の深部を刺激し、血流をよくする。病気からの快復後は、この瞑想法でゆっくりと筋肉を鍛えたり身体を休ませたりすることを勧めます」とコロンベルは提言する。
数分間の瞑想の流れは非常にシンプル。立ったまま、目は必ずしも閉じなくてもよく、呼吸が自然に整うまで待つ。それからいわゆる瞑想状態に入る。「私たちの姿勢を内面から眺めてみましょう。身体の中のあらゆる感覚を感じます。地面にしっかり立っているという感覚、関節の感覚、より深い呼吸の感覚、心臓の鼓動を感じましょう」
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横になって行う瞑想
その日1日のつらい瞬間に思い出したり、すでに明日のことが心配になってしまったりして、なかなか寝付けないことが多い? そんな人におすすめなのが就寝前の数分間に寝床で横になって行う瞑想で、これは通常の瞑想効果に加え、より簡単に眠りを誘う最良の方法だ。
「横になって瞑想をすることにより、いまというこの瞬間、身体の感覚に意識を向けることができます。脳はこのとき、いつもより簡単に眠る時間だと理解し、入眠しやすくなります」とコロンベルは語る。
この瞑想の流れは、立って行う瞑想とほぼ同じ。大切なのはこの姿勢を強く感じ取り、感覚に意識を向けるよう努めることだ。
長さは問題ではない
勘違いしがちだが、肝心なのは瞑想をする時間の長さではなく、瞑想に専念する頻度である。コロンベルによると1日5分、毎日行うのが効果的だという。「そうすると脳は反射的に外からの思考を遮断するようになり、身体からのサインに意識を向けられるようになります」
瞑想しながら歩く
例えば通勤時に、周辺で起きていることを観察し、五感を目覚めさせ、そのことに集中する時間がある。「大切なのは自分の心の状態です」とマリー・コロンベル。「身体を動かしつつ、いまこの瞬間、身体が何を感じているかに注意を向けると、瞑想状態になり、他の姿勢での瞑想とまったく同じの効果があります」
(1)マリーヌ・コロンベル(Marine Colombel)の主な著作に「バーンアウトを予防する瞑想( La Méditation anti burn-out)」(マラブゥ出版、256ページ、17.90ユーロ)がある。
texte : Kassandre Fradelin (madame.lefigaro.fr), traduction : Yuriko Yoshizawa