セックスにまつわる8つの神話のウソ、ホント。
Culture 2021.05.15
ペニスの大きさは重要、女性にはクリトリス派と膣派がある、男性は毎回オーガズムに達する...これらセックスにまつわるさまざまな神話について、少し立ち止まって考えてみよう。
セックスに関する神話について、見直してみよう。photo:Getty Images
セクシュアリティとセックスを取り巻く神話は根強く残っている。多かれ少なかれきわどく、興味深いこれらの神話は、私たちのセックスライフに影響を与え、しばしば誤解を与える。
ちなみにセックスにまつわる神話は、ホルモンがピークを迎える思春期に始まる話ではない。セックスセラピストのマリ=リーヌ・ユルバンは「私たち大人は子どもたちに、赤ちゃんはキャベツの中から生まれるか、コウノトリが運んでくると説明します。どうしてこの神話が、男女が愛し合って赤ちゃんを授かると説明するよりも“自然”と言えるでしょうか?」と語る。
よく知られる神話を、見直してみよう。
1. 男性器の大きさで女性の喜びが決まる
これは、世界中の男性と女性を苦しめる質問だ。答えは? 「膣は弾力性があるため、パートナーのペニスに適応します。膣の快感は、内部クリトリスへの圧と摩擦によって生み出されるので、すべての男性が女性を喜ばせることができます」とセックスセラピストは説明する。つまりサイズをとやかくいう必要はない。ただし、マイクロペニス(勃起時に約7cm未満)の場合は例外で、刺激は保証されない。
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2. 幸せなカップルは定期的にセックスをしている
もちろん、セックスはロマンチックな関係を保つ方法の一つ。しかし必ずしも表裏一体ではない。「性欲は永遠に続くに違いないと信じる幻想があります。しかし、ほとんどセックスしなくても、とても幸せなカップルも存在します」と専門家は述べる。
重要なことは、パートナーがお互いに満足しているということ。人それぞれであるため、他人と比べる必要はない。
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3. 男性はセックスのたびにオーガズムを感じる
残念なことに、男性全てには当てはまらない。「射精に至らない男性もいます」とユルバン。つまり、女性と何ら変わりはないということ。エクスタシーに達するには、男性も特定の精神状態にある必要がある。「オーガズムは与えられるものではなく、得るものだ、と普段から言っています。オーガズムのためには、男性も含め、心身を大いに解放する必要があるのです」と彼女は言う。
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4. セックスの時間は長ければ長いほど良い
ご存知の通り、それはパートナーによって異なる。しかし、それだけではない。「『最適な持続時間』というものは存在しません。特に、挿入時にあまり快感を感じない場合は、長く続かないことを望む女性もいます」とユルバンは断言する。言うまでもなく、お互い疲れてしまうこともある。また、痛みや潤い不足を感じることもある。この神話を払拭するため、セラピストは次のように述べる。「良いパートナーとは、相手に合わせる方法を知っている人のこと」。相手の喜び方に気を配ることが不可欠だ。
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5. 閉経で性欲は終わりを告げる
ノー。更年期のホルモンおよび生理学的な変化によって必ずしも性欲がなくなるわけではない。それはあなたが、どのような更年期を経験するかによる。「更年期の時期をむしろ解放への道と考えましょう。多くの場合、子どもたちは家を出ているし、避妊の心配をする必要はもうありません。セックスするための環境は全て整っています」とユルバンは言う。もちろん、潤いが不足している場合もあるが、それで性的快楽がなくなるわけではない。
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6. 男性の欲求は女性の欲求よりも機械的である
またしても間違い。「第一の性器は脳です。それは刺激を検出し、人間の身体的反応を引き起こします。男性の勃起は女性の潤滑よりも早く起こります」と専門家は言う。だからこそ、男性はパートナーよりも先に興奮してしまうのだ。この開放感は、社会的な観点からも説明できる。「男性は自分の性欲に対してより注意深く、一部の女性たちのようにタブーで自分を抑えようとはしません」とユルバンは強調する。
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7. 女性にはクリトリス派と膣派がいる
「これは基本的な大きな間違いの一つです。クリトリスは場所ではなく、外部と内部の一帯の器官を指しています。確かに、快感を感じる場所は違うかもしれませんが、それはどちらもクリトリスという同じ器官の一部」とユルバン。クリトリスと膣でオーガズムを感じる女性もいれば、「アナルで喜びを感じる人もいる。性的な快楽は皆それぞれ異なります」と彼女は言い添える。
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8. 潮を吹く女性がいる
このテーマに関する知識は漠然としている。「この液体がどこから来るのかはよくわかりません」と専門家は打ち明ける。わかっているのは、この現象は生まれつきのものではないということだけだ。「この現象は、年齢、関係を問わず現れる可能性があり、体系的なものではありません」とユルバンは述べる。しかし、このような現象は、一般的には性的に解放され、自分の身体のことをよく知っている女性に起こるという。「それは究極の解放の表現なのです」とセックスセラピストは言い添える。
texte : Lucie Rousselle (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi