美しい男が想う、美しい女。 真鍋大度が、ナタリー・ポートマンの言動や姿勢に見出した"美"とは。

Culture 2021.06.16

世代も職業も異なる6名の男性に、自身が考える美しい女性とその理由を訊いた。アーティスト・真鍋大度が選んだのは俳優のナタリー・ポートマン。演技のすばらしさとともに彼女に見出した、美しさを感じる姿勢とは?

美が表現にもたらすのは自信か、邪念か。

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ナタリー・ポートマン|女優
1994年、『レオン』でデビュー。その後数々の話題作に出演し、2010年には『ブラック・スワン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞。多くの社会問題にも積極的に取り組んでいる。


ナタリー・ポートマンはとても優れた俳優です。『ブラック・スワン』では、クラシックバレエという、習得しなければならない技術が数多くある役に果敢に挑んで成功させています。“神は細部に宿る”という言葉がありますが、あの作品における彼女にはその言葉がしっくりきました。

しかしながら僕が今回、彼女の名をここで挙げたのは演技を見てというより、ハーバード大学でのスピーチやマスタークラスでの講義など、後進育成の場での彼女を見て感じたことでした。他者を気遣い、素晴らしく寛大で、現実主義を否定し、幸せの本質を見極め、夢に向かって有言実行。彼女の言葉や語りかける時の姿勢からはそういうものが感じ取れました。一切、自信過剰にならず、不安さえも相手と共有しようとする。いま目の前にいる人と同じ目線に立って語り合おうとする。少なくとも見ている僕にそう感じさせる。

多分美しさとは、自分が持ち得ないものに感じることが多いのではないでしょうか。だから僕の場合で言えば、女性やトランスジェンダーの人から感じることが多い。ただし、機能や造形を超えたところにある美は、時間や場所を共有した時にしか感じ得ないものだという気もするので、悩ましいですね。

何を美しいと感じているのか、少し混乱します。そして美しさは創作活動をする時の自信にもなりますが、邪念も引き出しかねない。そういう少し恐ろしいもののようでもあります。

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40代
真鍋大度|Daito Manabe
アーティスト

東京を拠点に活動するアーティスト、インタラクションデザイナー、プログラマー、DJ。2006年ライゾマティクス設立。身近な現象や素材を異なる目線で捉え直し、組み合わせることで作品を制作。デザイン、アート、エンターテインメントの領域で活動。東京都現代美術館で6/20まで『ライゾマティクス_マルティプレックス』開催中。

*「フィガロジャポン」2021年7月号より抜粋

interview & text: Yukiko Yaguchi

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