1967年、群衆を熱狂させたブリジット・バルドー。

Culture 2021.07.15

1967年5月12日、BBことブリジット・バルドーがカンヌのクロワゼット大通りに到着すると、あたりは熱気に包まれた。BBは、2番目の夫ギュンター・ザックスの腕につかまりながら、興奮した群衆の間を縫って会場のパレ・デ・フェスティバルに向かった。あの熱狂を、写真とともに振り返る。

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ゲーリー・クーパーらハリウッドスター並みの熱狂的な歓迎を受けて会場に向かう階段を上がるバルドー。photo:Getty Images

1956年、バルドーを主演に、夫のロジェ・ヴァディムが監督したカルト映画『素直な悪女』が公開され......BB神話が生まれた。この映画でバルドーは一躍アイコン的存在となる。

しかし、10年後のカンヌ映画祭レッドカーペットを歩くBBの隣にいたのは別な男だ。1967年5月12日、2番目の夫で大富豪の実業家、ギュンター・ザックスと連れ立ってBBが現れると、群衆は興奮に沸いた。その熱狂ぶりは、かつてゲイリー・クーパーらハリウッド・スターが受けた歓迎に匹敵するものだった。

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興奮がピークに達した群衆

その日の夕方、カンヌは興奮のるつぼと化した。あのアイドルがやってくる。3年前に「モア・ジュ・ジュー」(私は遊ぶ)の歌を口ずさんでいた、目を黒く縁取ったブロンドヘアのBBが。

歓声を浴びながら会場のパレ・デ・フェスティバルへ向かおうとしたバルドーだったが、我先に押し寄せるカメラマンとエキサイトするファンにもみくちゃにされた。それでもいつものスマイルを浮かべながら、警備員の助けを借りて人混みをかき分けようとしていた。

伝統的な蝶ネクタイの代わりにリボンを結び、アンドロジナス(中性的)なスーツ姿のブリジット・バルドーは、同世代のどんな女優にもましてセンセーショナルだった。

なんとも皮肉なのは、前代未聞の騒ぎとなったこの年を最後に、BBの姿をカンヌ国際映画祭で見かけることは以後なかったことだ。こうしてまた一つの伝説が作られた。

text:Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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