過去から未来への祈りを込めて。今月観たい展覧会4選!

Culture 2021.07.22

オリンピック開幕を目前に控え、なにかと騒がしく落ち着かない今日この頃。時代に向き合ってきたアーティストが作品にかける思いは、より素晴らしい世界や未来への祈りのようにも感じられないだろうか。あなたの目で、作品からあふれ出すエネルギーを確かめて。

土地と人との関係性から探る風景と物語。
上村洋一 + エレナ・トゥタッチコワ

『Land and Beyond|大地の声をたどる』

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聴覚や視覚から風景を知覚する方法を探り、世界各地の海で行った「瞑想的な狩猟」と呼ぶフィールドレコーディングを中心に、サウンドインスタレーションを手がける上村洋一。人間の風景認識や物語創造、歩行と想像力の関係に関心を抱き、歩く行為を通して各地の自然や人の物語を採集し、インスタレーションを展開してきたエレナ・トゥタッチコワ。本展では、知床や北方圏のリサーチを展開する四方幸子をゲストキュレーターに迎え、知床という地で制作を続けるふたりのアーティストの最新の歩みと、相互に交差する世界観を土地「Land」から出発し、土地と人との関係をより普遍的に喚起するもの、「Beyond」として投げかける。

『Land and Beyond|大地の声をたどる』
会期:7/21~ 8/29
ポーラ ミュージアム アネックス(東京・銀座) 
営)11:00~19:00
無休
料)入場無料 

●問い合わせ先:
tel:050-5541-8600(ハローダイヤル) 
www.po-holdings.co.jp/m-annex

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動物の特性を生かすしなやかなシルエット。

「フランソワ・ポンポン展 ~動物を愛した彫刻家~」

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19世紀後半に彫刻家を志し、20世紀初頭に独自の観察眼で動物の特性を捉えて、革新的なスタイルの動物彫刻を完成させたフランソワ・ポンポン。近年新たに人気の高まる彼の作品は、身近な動物から動物園で見られる異国の動物まで、その形態と動きを観察し、彫刻に生命感あふれるフォルムと美しいシルエットを与えている。日本初の回顧展となる本展は、最大の支援者であったディジョン美術館、パリのオルセー美術館、群馬県立館林美術館などのコレクションで構成。初期作品から、アールデコ様式の室内に調和する動物彫刻として名声を確立した『シロクマ』(1923~33年)まで、作歴の全貌を通じて彼の生涯と作品の魅力に迫る。

「フランソワ・ポンポン展 ~動物を愛した彫刻家~」
会期:開催中~9/5
京都市京セラ美術館(京都・岡崎)
営)10:00~18:00
休)月(7/26、8/2、8/9、8/16、8/23、8/30は閉館)
料)一般¥1,800

●問い合わせ先:
tel:075-771-4334
https://pompon.jp

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五輪のモニュメントを起点に考察する未来。

『Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13 パビリオン・トウキョウ2021』

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隈研吾の設計による新国立競技場を中心とするエリアに、世界各地で活躍する日本人の建築家6人とアーティストふたりが設計した独自のパビリオンを設置し、未来の建築やアートとして紹介するプロジェクト。観客は地図を片手に宝探しのように散歩しながら、東京の未来へのそれぞれの願いが込められた9つのパビリオンを巡る。藤森照信、妹島和世、藤本壮介、石上純也、平田晃久、藤原徹平、会田誠、草間彌生に加え、真鍋大度+ライゾマティクスの特別参加が決定。いわくつきの五輪の競技施設を意識しつつ、国際的に評価される稀代のクリエイターたちが展開する未来像を、ひとつの社会実験として考察する機会として興味深い。

『Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13 パビリオン・トウキョウ2021』
会期:開催中~9/5
新国立競技場周辺を中心に都内9カ所(東京)鑑賞時間は会場ごとに異なる
料)入場無料
※一部入場料あり、一部予約制

●問い合わせ先:
contact@paviliontokyo.jp
https://paviliontokyo.jp

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既存の価値観から解放された、生の表現。

ポコラート世界展『偶然と、必然と、』

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「Place of Core+Relation ART」の略であるポコラートは、障害の有無にかかわらず人々が出会い、相互に影響し合う場を目指すプロジェクト。芸術文化人類学を専門とするキュレーターによるリサーチをもとに、世界22カ国から美術の枠にとどまらない創作物を集め、多様な地域性や文化を反映しながら、作家の内面から湧き上がる衝動、創作のエネルギーが表れた唯一無二の表現を一挙に展示する。いわゆるアールブリュットやアウトサイダーアートといわれるカテゴリーに位置付けられる作品だけでなく、常識、偏見、社会的判断といったあらゆる既存の価値観から解き放たれ、時に常軌を逸した生の表現と出合うだろう。

ポコラート世界展『偶然と、必然と、』
会期:開催中~9/5
アーツ千代田 3331(東京・末広町)
営)11:00 ~18:00
無休
料)一般¥800

●問い合わせ先:
tel:03-6803-2441
https://pocorart.3331.jp/world2021

※『フィガロジャポン』2021年9月号より抜粋

新型コロナウイルス感染症の影響により、開催時期および開館時間が変更となる場合があります。
最新情報は各展覧会のHPをご確認ください。

text : Chie Sumiyoshi

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